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てっしゅう
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「背徳の恋愛」 未亡人の誘惑 第一話

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寝る時間になってスマホを充電器に繋いでベッドに入った。
ブブブ、ブブブ、と震える。

「誰だ?こんな時間に・・・」

画面を見るとそこには弟からの電話が見て取れた。

「はい、どうした?こんな時間に?」

「兄貴、急だけど家内の妹の旦那が交通事故で亡くなったんだ。明日で良かったんだけど、今病院から電話している。悪いけど明日の通夜と明後日の葬儀に出席して欲しい」

「そうか、残念だな。美代子さんにご愁傷さまと伝えておいてくれ。要件は解った。場所と時間は決まったら教えてくれ」

「ああ、そうするよ。今から病院が教えてくれる葬儀場に電話して手配するよ。悪かったな寝るところに電話して」

「いいんだよ。そう言うことはたとえ深夜でも遠慮なく言ってほしい」

弟は高校時代の同級生である美代子と言う結構美人の妻を持っている。
年齢は今年50歳。
兄弟は一番下に妹の紀子が二つ違いの48歳でいる。
両親も健在な家族で仲は良い。弟夫婦とも亡くなった義理の妹夫婦とも交流はあった。

私は長男で55歳になるが、三年前に妻を病気で亡くしていた。
その葬儀の席で義理の妹はいたく悲しんでくれた。同席した今回未亡人になってしまった美代子の妹、麻子は逆に冷たいほどの冷静な態度が印象的だった記憶が思い出された。

翌日通夜の席で控室に居た喪主の麻子は失墜の表情でもなく、泣き腫らしたやつれた顔でもなく、むしろ笑みがこぼれるその表情にむしろ不自然な部分を見るような気がした。
私を見つけると近寄ってきて頭を下げ一通りの挨拶を済ませると、

「お話しを聞いて頂きたいことがあるので、良かったら今夜は泊まっていって貰えませんか?」と切りだされた。

もちろん通夜の席なので朝まで葬儀会館に居残ることは怪しまれるようなことではない。たとえ二人になってもだ。

「麻子さん、皆さんはどうされるのですか?他に泊まってゆく人が居るのなら構わないのですが」

「正治さん、今夜は姉が泊まってくれます。二人で線香の火を消さないようにしようと話し合いましたから」

「そうですか。じゃあ、私も独り身だし、仕事も弔休を取ったのでお手伝いしますよ」

「ありがとう。良かった・・・」