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4人家族会議~鈴木家から廃除されるのは誰だ~

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僕「ちょうど乗っかるサイズだったんだよね。ルンバにさえ乗ればちょっとした段差も、垂直な壁もなんのそのだったなあ」

母「そしてひいおばあちゃんは、たまたま開けっ放しにされていた玄関のドアから、ルンバに乗ったまま外に出ていったきり、二度と戻ってくることはなかった!」

父「・・・・え」

僕「・・・・え」

母「あのドア!開けっ放しにしたのは恵美ちゃんでしょ!あの日家にいたのは恵美ちゃんだけだったんだから!」



議長、バットを構える


妹「っ!」

父「・・・・。そうだったのか・・・。恵美ちゃん・・・僕はてっきりひいおばあちゃんは不幸にもルンバに吸い込まれて亡くなったのかと・・・」

僕「うん・・・だって、ルンバ、ひいおばあちゃんがいなくなった後も家にちゃんとあったし。ひいおばあちゃんの代わりに火葬しちゃったけど」

母「あれは、恵美ちゃんが自分の過失をごまかすために、こっそり同じものを買ってきたのよ」

妹「・・・・・ママ・・・!この裏切り者――!ひどい!絶対にみんなには言わないって、約束したのに!!」

母「誰が裏切り者よ!先に私を売ったのはあんたじゃないの!!」

父「これは・・・恵美の罪はなかなか重いぞ。もう排除されるのは恵美でいいんじゃないのか?」

妹「くっそーーー!(バイクのエンジン音)」

僕「っは!!今さらではあるが、僕たち家族はサイズ感に対する認識が間違っているんじゃないか!?」

母「そんなことないわよ。確かにひいおばあちゃんはティースプーン一杯分くらいだったわ」

僕「いや、確か肉眼で確認出るかどうかくらいだったような」

父「あ!恵美のやつ、パパのバイクを勝手に!!あいつ逃げる気だな!?」

妹「(バイクにお姫様のように乗る)」

父「邪道な乗り方しやがって!誰かあいつを止めてくれー!(伝言ゲームのように隣へ)」

母「誰かとめてくれー!!(僕へ)」

僕「誰かトマトくれーー!!(妹へ)」

妹「誰かトマトをくださーーーい!!(走り出す)」

母「プルーンでもいいですか?」

父「あ。ありがとうございます」

僕「あーーー行っちゃった。あんな乗り方したら事故るぞ」

母「それならもういっそ、このまま恵美を追放ってことでいいんじゃないの」

父「うーん、そうだね!」



ケータイの着信音



僕「はいまさお。あ、かなこちゃん?」

母「きっと藤岡弘よ」

僕「え?なに?今日もうちに来たいの?いいよいいよ!もちろんだよ。手土産?そんなものいらないよ。気を遣わなくて大丈夫だって!え?親の好み?もーだから気にしなくていいって  。うん、今ちょうど両親いるよ。」

父「あ、見てごらんママ。恵美が事故っているよ(舞台後方で、恵美が派手なバイク事故を起こしている)」

母「うふふほんとね」

僕「うんうん、じゃあ、またあとでね。」

父「なんだ、彼女またくるのか」

僕「うん、いいだろ別に。そうだ今日はおめでたい日だし、お寿司でもとって・・・みんなで笑いあおうよ」

母「そうね、たまにはいいわね」

父「そうだな」


父、電話を掛ける



父「もしもし?あ、鈴木ですけど。ううん。お父さんのほうだけど。うん、そう」

僕「母さん、すしのネタは何が好き?」

母「うーんお母さんは・・・やっぱ女体盛りかなあ(フランクに)」

妹「なに、お兄ちゃんの彼女また来るの?」

僕「うわあ!!!恵美!!」

母「恵美ちゃん!!!」

僕「お前生きていたのか!!」

母「くっそやっぱ若さスゲーな〜」

僕「年行った人って若さを買いかぶりすぎだよね」

妹「それよりパパ、さっきから誰と話してるの?」

父「(電話を終えて)ん?うわ!恵美生きていたのか!やっぱ若いっていいな〜(しみじみ)」

僕「今夜はすしを取ろうって話になったんだよ。だから出前の電話をね」

妹「へーー。お寿司。最近食べてないからたのしみ〜」

母「ねー」

僕「あ、かなこちゃんからだ(ケータイ)はいまさお。うんかなこちゃん?うんうん。え?すし?いいよそんなの。ちょうど今夜うち、すしにしようって話になってたんだ。え?カッパ寿司で申し訳ないって?何言ってんだよ。いらないって。うん。うん。じゃあね」



父、電話を掛ける



僕「(ケータイ)はい」

父「僕だよ、パパだよ。」

僕「うん?」

父「さっき言ったじゃないか。パパはカッパ寿司よりくら寿司のほうがすきなんだよ〜。かっぱさんもお持ち帰りはできるけどね」

僕「うん」

父「お願いね、買ってきてくれたら、次の日曜日水族館に連れて行ってあげるからね」

僕「誰だと思ってしゃべってんの?」

父「え?あなたかなこちゃんでしょ?」

僕「・・・まさおだけど(直に話す)」

父「またまたーどう考えたってかなこちゃんの声じゃないか・・あ、まさおだっ!(朗らかに。直に話す)」

母・妹「えーーーー」

父「え、電話だと超声似てるね〜〜!!」

僕「あんた何やってんだよ!」

父「おかしいな確かにかなこちゃんに電話したはずが・・・あっ電話帳一行違いだ!ほら、ハ行とマ行だから・・・!だから間違えたんだね!焦りすぎた」

僕「藤岡弘で登録してんじゃないよ!ていうかなんでかなこちゃんの番号知ってるわけ!?」

父「昨日来た時にこっそり交換してもらったんだよ。まさおはパパと女の趣味が似てきたなあ。」

母「パパ、そうだったの!?ということは、私とは妥協で結婚したってことなのよね!?お願いパパそういってちょうだい!!」

僕「あんた最低だぞ!」

父「最低ではない!最高だ!かなこと僕はデキている!!」

妹「やったー二人目のパパだー」

母「こら恵美ちゃん!!」

僕「意味がわからん!」

父「意味が分からなくない!どうせまさおにはまだうまく管理できないんだから、しばらくパパに預けておきなさい」

僕「子供がもらったお年玉預かる親みたいなノリでいうな!」

妹「うん・・・わかったよパパ(お年玉を預ける)」

父「ああ〜〜これが盗賊の気持ちかあ(至福の表情)」

僕「バカ恵美!!全部使われるぞ!!」

妹「ええ!?」

母「ねえ私とは妥協で結婚したのよね!?」

父「そんなことないよ、いつでもママはパパのストライクゾーンど真ん中、パーフェクトな女性だよ!」

僕「くそう、母さんを大事にしやがって!こんな父親だけど、やさしい所もあるんだよなあ」

母「いやああああ」

父「あと父さんは、毎月みんなのためにお金を運んでくるよ」

母「そこなんだよなあ」

妹「盗賊のパパなんていらないわ!私のパパは藤岡弘だけで十分よ」

父「恵美・・・・。父さんのバイクを盗んでそのうえ全壊させたことを忘れるな、お前こそ盗賊だ」

母「そもそも、まさおがかなこちゃんをうちに連れてきたのがいけなかったんだわ」

僕「いや恵美がひいおばあちゃんを見殺しにしたのが全ての元凶だろう」

妹「違うの聞いて!!玄関を開けっ放しにしてたのはわけがあって・・・。ママが部屋にため込んだシジミの殻の匂いがすごくて、換気してたんだもん!耐えられなかったの!」
僕「そうだよシジミくせえんだよあんた!!」