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二つ池大学演劇部部長、村田!

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村田「・・・・・。あれ?」

鈴木「ほらね!こうなるんだよ!」

村田「真面目関係ないじゃん!ただのあんたのマナーの問題でしょ」

鈴木「歯医者です。待合室です」




鈴木、歯医者に来る。村田、待合室で雑誌を読んでいる




鈴木「うわ、今日混んでんなあ・・・。座るとこないじゃん。しょうがない、立ってるか」

村田「あーあ、スターバックス入口を現代の地獄の門として認定、か。くっだらないなあ。この雑誌も飽きたな。別の持って来よう」



村田、雑誌を置きに行く。その隙に鈴木、村田の席につく。別の雑誌を取って帰ってきた村田。



村田「・・・・・。あれ?」

鈴木「ほらね!こうなるんだよ!」

村田「だから真面目関係ないじゃん!あんたマナー悪いよ!」

鈴木「君ももっと適当になったほうがいいよ。君将来の夢はなんなの」

村田「そうですね、害のない人になりたいですね」

鈴木「うわ!!真面目!!私なんか、将来の夢万引きG面だよ!?」

村田「うわ!すごい!大学4年にもなって現実味が無い!恥ずかしい!」

鈴木「恥ずかしいとかいってる場合か!君も恥はどんどんかけ!若いときにかいた恥は、将来財産になるんだぞ!
   恥は宝だ!いいか!僕なんて」


ドラムロール


村田「いまだにたまごっちを育てている」



ファンファーレ


村田「えっ」



ドラムロール


鈴木「蒙古斑が消えない」


ファンファーレ
ドラムロール


鈴木「英検四級」


ファンファーレ


鈴木「どうぞ(村田にマイクを渡す)」


ドラムロール


村田「ジャガイモ」


ファンファーレ


村田「なにいっても鳴るんじゃないですか」

鈴木「ほんとだ知らなかった。なんだこれ。やっぱ百均のはダメだな。だまされた気分だよ!
   どのくらい騙されたかっていうと、テレビでやってた素晴らしく感動的なストーリーが、青汁のシーエムだった時くらい騙された気分!」

村田「確かにあれは、複雑な気分になるな〜。別にいいんだけどさ〜」

鈴木「とにかく、その凝り固まった考え方から自分を解放してやるんだよ!さあ思いっきり恥をかけ!大丈夫!モザイクはかけてやるから」

村田「無理です!これ生なんで!!先輩は恥ずかしくないんですか!?今まさにこんなたくさんの人に醜態をさらしてるんですよ!
   皆、先輩の事を病的な人を見る目で見てますよ!」

鈴木「・・・・・・は!(客席を見る)」

村田「・・・」

鈴木「おぬし!」

村田「あ、すみません。言い過ぎました」

鈴木「私は傷ついた!よしお詫びに今日からお前は部長だ!」

村田「嫌です」

鈴木「嫌ですだって!(客席に)なんでだよいい加減にしてよ」

村田「いい加減にするのは先輩でしょ!初めにも言いましたけど、私は演劇の事なんてまったく知らない初心者なんですよ!
   部長なんて重い役職できるわけないでしょう」

鈴木「ああそれなら大丈夫。うちの部活、部長はそんなに偉くないから。上から、神様、仏様、社長、課長、係長、雑用、ガチョウ、下僕、部長だから。」

村田「低い!!ガチョウより下になってくると、もはや人間扱いされるのかも危ういぞ」

鈴木「そうだよ、だから安心して」

村田「ええ・・・?待ってくださいよ、病気先輩。あ、鈴木先輩」

鈴木「ん?ん?」

村田「先輩はこの役職でいうとどこのポジションなんですか?」

鈴木「それはもちろん、仏様だよ。私は幽霊部員だからね」

村田「なるほど。部長より幽霊部員のほうが立場が上とはね!」

鈴木「どうだい、部長をやりたくてたまらなくなっただろう」

村田「もういいです」

鈴木「え?」

村田「私、別の部活に入ります。実はほかの部活も気になってるところあったんですよね。演劇やってみたかったけど、なんかもう入る気失せました」

鈴木「そんな!折角来たのに辞めちゃうの!?さびしいじゃないか」

村田「あなた今まで部活四回しか来たことないんでしょ!?よく言えたね」

鈴木「わかった!わかったよ!じゃあ今回は特別に君を下僕に任命する!」

村田「結構です。帰ります」

鈴木「待って待って待って。よーしわかった!!他に入りたい部活があるんなら、君、こうすればいいじゃないか」

村田「はい?」

鈴木「兼部だよ・・・!」

村田「兼部・・・」

鈴木「そうさ。そうすれば、真面目に部活に参加する必要はないぞ。」

村田「・・・つまり私は幽霊部員!」

鈴木「君を、仏様に任命する!」

村田「・・・!先輩!いいんですか・・・。でも・・・先輩は?」

鈴木「演劇部に仏は二人もいらない。私が、演劇部から身を引こう」

村田「先輩・・・!」

鈴木「演劇部にも、新しい時代がやってきたってことさ。喜ばしいことだよ。これからの演劇部、任せたぞ!」

村田「せんぱーーーーーい!」

鈴木「はっはっはっはっは・・・・」


鈴木、はける


鈴木「・・・あー。なんか疲れた。・・・・・。帰るかあ・・・。(出口へ)」

鈴木「(振り返る。部室を眺めて)・・・。また、来年のこの日に、ね」