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てっしゅう
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「父親譲り」 第十四話

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「お母さん、ゴメンなさい。私興味本位で辛い事聞いたりして。実はね、私も自分をオモチャで慰めて貰った経験をしたから、お母さんがどう感じているのか聞きたいと思っただけなの。お父さんが何らかの理由で不能になっているんじゃないのかって想像はしてたけど、病気とは知らなかった」

「おまえもそんなもので慰めていたの。寂しかったんだね。伸治さんは本当に罪な男だったんだ。お父さんは、自分の楽しみであれを買ってきて使うようになったの。初めは嫌で嫌で仕方なかったけど、終わりごろになるとねお父さんのあそこから白いものが出ているの。大きくならなくても漏れちゃうって感じみたいだった」

「そうなの・・・なんだか悲しいね」

「それを見て好きにしてくれればいいって感じ始めた。辛いのはお父さんなんだって思うように変わったの」

「お母さんは素敵だわ。夫婦ってそういう関係でないとダメなんだよね。私は自分の不幸を他人のせいにするんじゃなく頑張りが足りないって思うようにする。お母さんのように強くなれるかどうかわからないけど今日は話をしてよかった。お母さんの子供で良かった・・・」

美津子の目にも涙が光っていた。
心にわだかまっていたものが取れて父と母にきちんと向かい合えると思えた。
翌朝沙代子に電話して会いたいと言うと、体調を崩して一週間ほど後にして欲しいと返事された。
もう季節は12月に入ろうとしていた。

笹川がモロッコから帰ってきたその日、空港から美津子に電話が掛かってきた。
仕事中だったので着信だけ見て、退社した時間に車の中から直ぐに掛け直した。

「今仕事が終わりました。笹川さんはもう自宅ですよね?」

「うん、そうだよ。今回はキミへのプレゼントを買ってきたから直ぐに渡したいんだ。会えないか?」

「本当ですか!嬉しいです。夜で良ければ明日でも構いませんけど」

「じゃあ、そうしよう。前に待ち合わせした駅前のロータリーの所に居るよ。6時半ぐらいでいいかな?」

「ええ、解りました。大丈夫です」

約束の時間、彼の車を見つけて駆け寄った。

「お待たせしました」

「いいよ、さあ乗って」