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吉葉ひろし
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novelistID. 32011
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桜の花と地震と母
INDEX
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ソメイヨシノが間もなく咲くだろうと
母は言った
3月に入った日に
病院のベットの中で
3月10日母は逝った
83歳であった
せめて桜の花を見せてあげたかったと
冷たい涙が落ちた
3月11日
あ、あ大きな地震が来た
多くの犠牲者が出たのを間もなくし知った
冷たい、寒い日であった
墓参りをするたびに
桜の花と地震の事を思い出す
そして
停電して困ったことなど
その日は過去となり
記憶から薄れるが
母の命日が来ると
母の顔と地震の事が蘇えってくる
作品名:
桜の花と地震と母
作家名:
吉葉ひろし