イメージ 〈詩集〉
祈り
何もしてくれない神に
何を祈るか何を訴えているか
同じ方角に向かい拝む戦士達
それは双方同じかもしれない
廃墟と化した町を見ずに
楽園にいる来世を夢見て
どこで対立が始まったのか
という事はもう意味を持たない
信条という定形の頑固さと
過去より続く記憶の凝固剤で
より頑固さを増していく
誰のために戦っているのか
その問いも答えも放棄している
次々と補給される武器と食糧
反比例するように
難民は確実に数を増して
地にあふれ留まる場所も無い
暖かく緑もあるこの地を
通り過ぎるしかない難民達
それでも彼らは祈り続ける