「SNSの恋 としこ」 第一話
マリエと別れてしばらくして彼女はきらくらぶから消えた。理由は解らないが、メールも来なくなっていた。都合は良かったが何だか寂しいものを感じる自分が居た。
みんなどこで知り合って仲良くしているんだろうと考えたとき、なんらかのコミュへの参加が出会いのきっかけになるかも知れないと感じ始めた。
堅苦しい歴史とか山登りとかでは健全過ぎると思い、カラオケのコミュへ入会をした。
女性が管理人をしているそこは愛知県の俗にいう三河地区で集まって楽しんでいるようだった。
初めて参加したオフ会は、車の街豊田市のカラオケスナックで行われる例会だった。
女性が3人、男性が3人来て、自己紹介をしてすぐに唄い始めた。
男性は演歌、女性はポップスと言う感じで歌を次々と披露して二時間ほどで終了した。
帰る時になって自分と同じ方向に住んでいる女性を送って行くことになった。
管理人が、「てっしゅうさん、誘っちゃだめよ。彼女は真面目な主婦だから」と耳打ちした。
だいたいこういう忠告はその反対と取って良いとある人に聞かされていた。その人は恋愛の達人だったから、その言葉を信じていた。
彼女はきらくらぶではとしこと言った。本名は違う。
どちらかと言うと病気なぐらいに細くて決して健康的な感じには見えなかったが、歌は上手に唄っていた。
家の近くまで来て、彼女から連絡先を聞き出して、メールするからと言って別れた。
二度目に会ったデートで彼女は本心をぶちまけた。それは自分が思っていたこと以上のすごい内容で驚かされた。
きらくらぶでこんなことが起こっていたんだと思わされた。
約束の待ち合わせ場所からボクたちは三重県にある温泉遊戯施設へ車を走らせた。
入園してまずは足湯に浸かって疲れを取った。としこの白い足は病気からの後遺症なのか直ぐにむくむと話していた通り、その痩せた体つきに似合わないぐらい太く見えた。
「言っていたようにむくんでいるみたいだね。お湯につけると気持ちいいんじゃないの?」
「うん、そう。朝起きたときはいいんだけど、立っているだけでむくんじゃうの。少し前まで飲んでいたステロイドの影響みたい」
「ふ~ん、ステロイドか。手術したの?」
「強い放射線治療で炎症したから、そのため。てっしゅうさんは気になっていたけど気管切開してるよね。どこを手術したの?」
「ああ、口の中だよ。言いたくないけどガンだったんだ」
「私もそうよ」
「どこに出来たの?」
「珍しいの、あそこ」
みんなどこで知り合って仲良くしているんだろうと考えたとき、なんらかのコミュへの参加が出会いのきっかけになるかも知れないと感じ始めた。
堅苦しい歴史とか山登りとかでは健全過ぎると思い、カラオケのコミュへ入会をした。
女性が管理人をしているそこは愛知県の俗にいう三河地区で集まって楽しんでいるようだった。
初めて参加したオフ会は、車の街豊田市のカラオケスナックで行われる例会だった。
女性が3人、男性が3人来て、自己紹介をしてすぐに唄い始めた。
男性は演歌、女性はポップスと言う感じで歌を次々と披露して二時間ほどで終了した。
帰る時になって自分と同じ方向に住んでいる女性を送って行くことになった。
管理人が、「てっしゅうさん、誘っちゃだめよ。彼女は真面目な主婦だから」と耳打ちした。
だいたいこういう忠告はその反対と取って良いとある人に聞かされていた。その人は恋愛の達人だったから、その言葉を信じていた。
彼女はきらくらぶではとしこと言った。本名は違う。
どちらかと言うと病気なぐらいに細くて決して健康的な感じには見えなかったが、歌は上手に唄っていた。
家の近くまで来て、彼女から連絡先を聞き出して、メールするからと言って別れた。
二度目に会ったデートで彼女は本心をぶちまけた。それは自分が思っていたこと以上のすごい内容で驚かされた。
きらくらぶでこんなことが起こっていたんだと思わされた。
約束の待ち合わせ場所からボクたちは三重県にある温泉遊戯施設へ車を走らせた。
入園してまずは足湯に浸かって疲れを取った。としこの白い足は病気からの後遺症なのか直ぐにむくむと話していた通り、その痩せた体つきに似合わないぐらい太く見えた。
「言っていたようにむくんでいるみたいだね。お湯につけると気持ちいいんじゃないの?」
「うん、そう。朝起きたときはいいんだけど、立っているだけでむくんじゃうの。少し前まで飲んでいたステロイドの影響みたい」
「ふ~ん、ステロイドか。手術したの?」
「強い放射線治療で炎症したから、そのため。てっしゅうさんは気になっていたけど気管切開してるよね。どこを手術したの?」
「ああ、口の中だよ。言いたくないけどガンだったんだ」
「私もそうよ」
「どこに出来たの?」
「珍しいの、あそこ」
作品名:「SNSの恋 としこ」 第一話 作家名:てっしゅう