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てっしゅう
てっしゅう
novelistID. 29231
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「SNSの恋 マリエ」 第一話

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人気の不倫コミュは名前を「恋話ルーム」と言った。
管理人は五十代の男性で、副管理人は同じか少し年下の女性がなっていた。
原則不倫を暴露している人同士なのでオフ会はやらないと決めていた。
それと男性会員は女性会員を誘ってはいけないと規則で決めていた。そこには紳士協定があって、会話は楽しむけど出会いの場にしてはいけないとの思いがあったのだろう。

入会するには日記を書いていること、気楽倶楽部に来て半年以上経過していることが条件になっていた。
ボクの場合は管理人が誘ってくれたので直ぐに入会できたようだ。
この管理人の気分次第と言うところもある。

新しくマリエと言う名前で入会してきた女性がいた。
彼女は滋賀県の出身と挨拶をしていた。
日記は女子らしい詩を書いていた。恋愛の詩だ。ネットからコピーした可愛い画像がいつも張ってあった。

お気に入りになりたいと伝言が来たので了承して相互になり、ミニメを交わすようになった。
相談したいことがあるというのだ。

「こんなこと言うとだらしない女だと思われるかもしれませんが、今まできらくらぶで男の人と何人か恋をしてきました。私って直ぐに捨てられるんです。どうしてなのか教えてくれませんか?」

そんなことを知り合ったばかりの私に何故聞くんだろうと考えてしまった。
当然返事はこうだ。

「ボクにはそう言った経験がないから答えられないよ」

来た返事には恋話ルームに居る人ならそういうことよく知っていると思ったから聞いたと書いてあった。
何度かメールを交わしているうちにだんだんと気になる存在に変わっていた。彼との相談を聞いているのに好きになってゆくのはどうしたことだろう。

入会して一年が経とうとしていた八月にマリエから彼と別れたとミニメが来た。もう誰とも付き合いたくないと心境を綴っていた。
慰めるように返事を書いていたが、自分のことを気にしてくれているてっしゅうに気付いて気持ちが傾いていると書かれたミニメが来た。
りなのことから半年過ぎていよいよ自分に出会いがやってきたのかも知れない。

禁じ手になる携帯番号の教え方を恋話ルームの管理人から聞いていたので、暗号化してマリエにミニメで伝えた。解読してくれて直ぐに目の前のスマホが着信音を鳴らす。
初めての番号からの呼び出しに答えた。