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てっしゅう
てっしゅう
novelistID. 29231
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「SNSの恋 りな」 第三話

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「私のこと?初めは好きだって言ってくれていたけど、遠距離過ぎてやっぱり付き合えないから友達でいようって今は言われているよ」

「遠距離だと好きになってはいけないのかな?」

「そんなことないと思うけど、会いたい時に会えないから寂しくなって違う人と仲良くなっちゃうって思うの。それが解っているから最初から好き同士にならない方が良いということかな」

「今ボクはりなさんが好き。こうして会えたことも二人の思いが通じたから。遠距離とかあるけど、今の時間を大切にしたい」

「てっしゅうさん、惑わせるようなこと言わないで。あなたとまさとくんを比べることは出来ないの。どちらも大切なお友達で居たいから」

「じゃあ、ここで寝るだけにする。嫌がることはしないから傍に居たい」

「ごめんね、誘っておいて・・・」

「こういうこともあるさ。寝ようか」

「うん」

当然だが朝まで何もなかった。
りなはてっしゅうが無理にでも求めて来たら断れないかも知れないと考えていた。
朝目覚めて隣で寝ているてっしゅうの頬に軽くキスをして起こさないように布団から抜け出て着替えをした。

ボクたちは昼を空港の近くで食べて、りなを見送った。ずっと手を振って別れを惜しんでいたが、この日限りで彼女とは会えなくなってしまった。
しばらくラインで会話をしていたが、旦那さんの弟がガンで余命数か月と診断されて急遽札幌から八王子の実家へ行くことになってしまったからだ。

心身共に疲れ切ったのか、夫への愛情が戻ったのか、ラインもそしてきらくらぶのログインもしていない状態が続いた。
「若い日の思い出」とタイトルされた、りなの日記へのコメントがボクと、りなの交わした最後の言葉になった。

そこには大学生だった、りなの姿が写真で添付されていた。今とは想像できなぐらいにスリムで純情な可愛さに彼女の本当を見た感じだった。
初めてのSNSの恋は失恋で終わった。

こんなことでめげていてはいけない。またコミュで気が合う人を見つけて仲良くしよう、そう気持ちを切り替えて、日記を書くことにした。
音楽のこと、日常のこと、家族のこと、仕事のこと、そして恋愛のこと。
綴って行けばコメントが来る。
そして相手の日記へもコメントを入れる。

相互に親しくなった証しのお気に入り人数も、気が付けば複数になりその中の半数は「不倫コミュ」からの女性であった。