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ケムリとリンゴ

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ケムリとリンゴ








登場人物

リンゴ・・・ 凛子 女子高生

男  ・・・お化け

橘  ・・・女刑事

鷹野 ・・・ボス

花梨 ・・・リンゴの親友






○渋谷 雑踏

リンゴ、あたりを伺う様子で渋谷をうろついている

×××
渋谷で買い物をする人
喫煙所でタバコを吸う人
ハチ公前で待ち合わせをする人
インサート
×××
待ち合わせをしながら話に夢中になっている人の背後にそっと近づくリンゴ
手を伸ばしカバンにある財布を盗もうとすると

男「あのー」
突然、見知らぬ男に声をかけられドキっとする
リンゴ「えっ?何?なんですか!?」
男「驚かせてごめんなさい、これ」
男は携帯を見せる
リンゴ「携帯?あれ、これ私の!」
男「落としてましたよ」
リンゴ「ありがとう・・・でもおかしいな、カバンの中に入れてたはずなのに・・・」
リンゴ振り返ると盗もうとしていた人がいなくなっていることに気づく
リンゴ「・・・」
その場をあとにするリンゴ

○渋谷 路上

リンゴ、サラリーマン風の男に声をかける
リンゴ「私とーいいことしませんか?」
サラリーマン「え?まじ?」
リンゴ、手を出しお金をせびる
サラリーマン「じゃあさっそく・・・」
男「すみませーん!」
リンゴ「え?」
男「すみません、その子、僕の妹なんですけど、忘れ物しちゃったみたいで」
男、お弁当の包をリンゴに見せる
リンゴ「え?ちょっと何変なこと言ってるの?」
サラリーマン風の男、気まずくなりその場を逃げるようにいなくなる
リンゴ「あ、ちょっと!」
男「はい、お弁当ですよ」
リンゴ「さっきからあんたなんなの?」
男「え?」
リンゴ「人のじゃまばっかりして・・・この際あんたでもいいわ、ちょっと来て!」
男「え?」
リンゴ、男をホテルへ連れ込む
○ホテル内

リンゴ、男をホテルに連れ込み押し倒し馬乗りになる
リンゴ「この際、あんたでもいいんだから・・・」
男、リンゴを優しく見つめる
リンゴ、表情が強ばっている
男「君はそんな子じゃないよ」
リンゴ「え?」
リンゴの瞳からは一筋の涙が流れ落ちる
リンゴ「やだ、なんで私涙なんか・・・」
男「君はいつもそう、頑張り屋で負けず嫌いで独りでなんでもこなそうとする」
リンゴ「あなた、なんなの?」
男、ただ微笑んでいる

○ホテル前
リンゴと男出てくる
橘「凛子ちゃん!」
リンゴ「あ、刑事さん」
橘「なにやってんのよこんなとこで」
リンゴ「なにもしてません」
橘「ご両親が心配してるわよ」
リンゴ「あの人たちは関係ないでしょ!」
リンゴ、珍しくひどく激昂している
橘「あなたの気持ちはわからなくはないけどご両親、心配してるわよ」
リンゴ「そんなのポーズに決まってるでしょ」
橘「・・・」
リンゴ「橘さんはまた私の監視ですか?」
橘「違うわ、女子高生の行方不明事件が起きてるの知ってるでしょ」
リンゴ「・・・それ、私の親友です、何か進展あったんですか?」
橘「今必死に捜査してるけどまだなにも・・・」
リンゴ「・・・何かわかったらすぐに教えてください」
橘「わかったわ」
リンゴ「ありがとうございます」
橘「でも、独りで今詰めないでね」
橘、捜査に戻っていく
リンゴ「・・・」
男「綺麗な人だね」
リンゴ「わ!まだいたの?」
男「いたのって失礼だなぁ」
リンゴ「まあいいわ、あなたにかまってる暇ないから」
リンゴ、男を置いて去って行ってしまう
男「・・・」

○どこか

リンゴの親友、花梨がいる
どうやら捕まっているようだ
花梨「助けて・・・」
何者かが不敵な笑みを浮かべる

○ハチ公前

リンゴ、誰かを待っている
男、いつの間にかリンゴの隣にいる
男「もう驚かなくなったんだね」
リンゴ「別に・・・」
男「大丈夫?緊張してるよ?」
リンゴ「黙って」
リンゴの目の前に柄の悪い男が立っている

○敵のアジト

リンゴ、どこかへ連れてこられる
リンゴ「痛っ!」
リンゴ、周囲を見回すと行方不明になったであろう女の子たちがいた
リンゴ「なに、これ・・・」
女の子たちの中に親友である花梨の姿も
リンゴ「花梨!花梨!」
花梨「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい・・・」
花梨、薬によって頭が混濁している様子
リンゴ「ひどい・・・」
鷹野「誰かと思ったら、君・・・」
リンゴ「・・・」
×××
花梨「これから彼とデートなんだ」
リンゴ「彼氏できたんだ」
花梨「年上で先生やってるんだよー」

鷹野が迎えに来る
花梨「じゃあまたね♪」
×××
リンゴ「花梨の彼氏!ねぇ助けてよ、花梨が大変なの」
鷹野「花梨?あぁ、そこに転がってる女か」
リンゴ「え?」
鷹野「しらねーよ、そんなやつ」
リンゴ「ちょ、あんた彼氏でしょ?」
鷹野「彼氏?まさか、ちょっと遊んでやっただけで彼女面してすっげ迷惑してたんだよ、だいたいこんなとこまでついてきやがって」
リンゴ「最低!」
鷹野「お前もこいつみたいにしてやろうか?」
柄の悪い男「おい、早くしろ」
鷹野「俺に指図するなよ、金出してんのは俺だぞ?」
柄の悪い男「お前、いい加減にしろよ?」
柄の悪い男に怯む鷹野
鷹野「あ、あぁ悪い・・・」
柄の悪い男、拳銃を取り出す
リンゴ「え?」
周りの女の子達も拳銃に気づき怯える
柄の悪い男「済まないが、秘密を知られたからには生かしてはおけないんでね」
柄の悪い男、撃鉄に指をかける
リンゴ「・・・」
柄の悪い男、引き金をひこうとする
男「ばーーーーーーーん!」
大声で叫ぶ男、周りに動揺が起こる
リンゴ「キャーーーーーっ!」
柄の悪い男「何もんだ、お前」
男に銃を突きつける柄の悪い男
男「すみませーん、ちょっと道に迷っちゃって・・・」
男、屈託のない笑顔でいる
リンゴ「ちょ!あなた、何でこんなところにいるの」
男「いやだなぁ、助けに来たにきまって・・・」
一発の銃声が鳴り響く
鷹野「助けられなかったな」
リンゴ「うそ・・・」
鷹野「出てこなきゃ死ななかったのになぁ」
柄の悪い男「おい、さっさと始末してズラかるぞ」
鷹野たち、リンゴに銃を突きつける
リンゴ「誰か、助けて!」
男「はい♪」
男、すっと立ち上がり柄の悪い男を吹っ飛ばす
鷹野「!!?」
鷹野、柄の悪い男何が起きたのかわかっていない
男「その言葉、待ってましたよ」
リンゴ「な、何?」
男「助けてって、ずっと心が叫んでた」
リンゴ「・・・」
男「やっと言えたね、もう大丈夫だから」
男、柄の悪い男をやっつける
鷹野「なんで死んでねぇんだよ、俺は確かに頭打ち抜いたはずだぞ!?」
男「ざんねん、僕ね、死なないの」
男、半分透けている
男「だって僕、オバケだから♪」
一同「はぁぁぁぁ!?」
男「でもね、お願いをされたらその願いは叶えられるんだ」
男、鷹野の銃を落とし着ていた上着を脱ぐと身体中が鎖で巻き付かれている
男「僕はね、心を鎖で縛られている、みんなの願いを叶えるまではずっとこのままなんだ」「だからってわけじゃないけど、みんなのことを助ける」「それが僕の」
「待つものの願いだから」
男から鎖の一部が外れ、鷹野に絡みつく
鷹野「なんだよ、コレ、助けて、助けてくれぇ!」
作品名:ケムリとリンゴ 作家名:大平真嗣