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きんぎょ日和
きんぎょ日和
novelistID. 53646
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罰って当たらなくなった方が怖いかも…。

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“悪い事したら罰って当たるよなぁ~。旦那さんに理不尽な態度とか取ったら、足の小指ぶつけるし…。犯罪とか犯したら捕まるのは…罰か…?!。”
なんて一人考えていた。
上と繋がって以来、こんな事を考えることも一年の内に何度もある。
そしてお母さんと電話をしていて、この“罰”についての話になった。

『犯罪を犯した人って捕まるけど、捕まる事が、“罰が当たった。”になるのかなぁ~とか思う。捕まらずに逃げ切れてる人は罰が当たらずに運が良いってなるのかなぁ~とか思う。お母さん、どう思う?!』
私はそう聞いた。
何故かお母さんのテンションが上って、
『お母さんも昔からそれは考えてた。悪い事しても捕まらない人って得なのか…って。でも、それは許せないわぁ~って思うから、どうなるんだろうって答えは出ないまま思ってた。でもいつかは必ず罰は当たると思うんだよね~。そう思わないと悪い事して逃げ切れた人が得とか許せない。』
と言った。
『悪い事して捕まったら罰かなぁ~。』
と私は問いかけた。
『そりゃ~、牢屋の中に入るんだから楽しい所じゃないと思うよ。お母さん入ったことないけど…。』
と余計な一言を足してそう言った。
『犯罪者の罰は牢屋行き…。それだけで罰として良いのかなぁ~。納得が行かない。人を騙しても人を殺しても日本の法律の中なら、いつか牢屋から出て来れる確率はある。う~ん、納得行かない…。』
と私の言い分。
『そりゃ~、お母さんだって納得行かないよ。けどそれが日本の法律なんだからしょうがない。』
お母さんはそう言う。
『罰って国によって違うのはおかしい気がする…。日本だったらこのくらい、他の国だったらこのくらい…。それって違う気がする…。大体罰って人が人に当てれない気がする…。』
私はふとそう気付いた。
『まあ、そりゃそうよね。じゃあ、牢屋に入ることは罰にはならないか…?!いやいやいや、それも罰よ。大体罰ってした事が返って来るって事だから、牢屋に入るのも人が人にすることかもしれないけど、やっぱり罰よ。』
とお母さんは言った。
『旦那さんに理不尽な態度取ったら、バチが当たる…。』
と私はボソッと言った。
ボソッと言っただけなのに、お母さんは食って掛かって来そうな勢いで、
『そんなの旦那だけじゃなくて、誰に対してもダメでしょっ!!』
と受話器から出て来そうだった。
そんな勢いに押され気味に、
『うぅ~ん。だから、足の小指ぶつける…。』
と伝えた所、お母さんの勢いが止まって、
『はっ?!足の小指…?!それはただの不注意!!』
と冷めた声で言われた。
私の小指は毎度毎度痛いのに、そんな風にあしらわれるとは…。
話を変えようと思った。

私はちょっと考えて、
『じゃあ、例えば、はとちゃん(仮名;私の今の母親)は罰は当たるのか…?!それとも罰が当たっているのか…?!お母さんはどう思う?!』
と聞いた。
お母さんから唸り声が聞こえて、
『そうなのよ、そこなのよ。嘘まで付いて友達の旦那を取ったらどんな罰が当たるのかって事。これで罰が当たらなかったら、お母さんは何なの?!ってなる。しかも神様を祀(まつ)ってる宗教だからそこも気になる。そこの宗教の中では許されるのかもしれないけど、それは人が人を許してるだけだからね。お母さんとしては、宗教をしてる上でそんな事を許す親も罰が当たるんじゃないかって思う。』
と言った。
なるほど~と私は思った。
『でも、見た感じ、罰が当たってる感じはしない…。』
私は考えながらそう言った。
『ん~…、見た感じ…。罰が当たってるってこっちからは見えないと思うよ~。本人がどう思うか…っていうのもあると思うし…。自分の行いは良いフリをしてる人は分からないからねぇ~。そういう人はいい人に見えてしまう…。』
とお母さんの経験談も含めそう言った。
そんな事を話していたら上が出て来た。
『…罰ですか…。どうですか、お二人とも罰が当たったことはありますか。…まあ、罰が当たった所で、それを罰と思うのか罰としないのかはその人次第ですが…。』
と上は言った。
私は罰かぁ~と考えながら、たぶん子どもの時から何回も当たって来てると思うなぁ~。
私はそんな事を思い、お母さんに伝えた。
『そんな事言ったら、何回もある!!』
とお母さんは胸を張って断言している。
私もそれくらい潔く断言した方が良いのかなぁ~なんて思った。
上は続けて、
『罰が当たった時に、どうして罰が当たったと分かりますか。その時に、“あっ、あの事だ~。”とか、“何でだろう?!”とか思った事はありませんか。最初に頭を過ったものがそうかもしれませんね。私はそう思いますよ。最初に頭を過った後に、言い訳をして打ち消す人も世の中に多くいますよ。そういう人は悪い事はするけれども、返って来たものが悪いとあれば受け取らないようですね。受け取らない人は、受け取らない事にまた罰が当たるのかもしれませんね。』
と言った。
私の口から上の言葉は出ているけど、出ている時の私は半分止まってしまうので、言い終わった後に改めて言った言葉を理解する。
それを聞いた後、お母さんと二人で叫び声を上げた。
『怖ぇ~っ!!』
と私。
『恐ろしいぃ~っ!!』
とお母さん。
そんな私たちに上は、
『そうですか。恐ろしいですか。しかし、私が罰を当てているわけではありませんよ。その人自身の行いから生まれた事なので、その人が自分自身に返しているだけの事なのです。私はそれをただ見ているだけですよ。』
と言った。
私とお母さんは肯き納得した。
『自分がした事は自分に返るって事は誰のせいでもないって事になるね。はぁ~、旦那のせいにするのは控えようか…。』
と私は言った。
『お母さんは人のせいにはしないよ。自分が悪いっ!!それだけ。ただ受け止める器は小さいかも…。はぁ~。』
とお母さんもため息。
そして上は話を変えて来た。
『そして、はとちゃんの事でしたね。』
と言った。
お母さんは慌てて、
『あ~、あ~、そうよ、そう。そこが大事。あんな事までして罰が当たらないのかって事よ~。』
と言った。
上は肯き、
『そうですよね。神を祀り、神を信じている人が、過ちをし続ける事はしないのでしょう。しかしどうでしょうか。私はこのように話していて、私の口からはとちゃんという名前が出て来ませんね。どうして出て来ないのか。もしかしたら罰が当たっている間、行いに対して罰が返って来る間は、私の口から名前が出るのかもしれませんね。罰が当たらなくなるという事は、とても怖い事なのかもしれませんね。私は思うのです。悪い事をして返って来た罰を受け取る心がある人は、救われるのだと。しかし、返って来る罰程度では収まらない行いをしている人もいるのでしょう。例えば、どんなに悪い事をしても毎日ぐっすり布団で眠れるというのはどうでしょうか。私はおかしいと思いますよ。罰が返るのは夜九時まででしょうか。それとも夜十一まででしょうか。それはおかしいと私は思うのです。そういう人には、もう罰は当たらなくなるのかもしれませんね。私は、“信じている”と言われながら、裏切られる事はとても嫌いなのです。さて、はとちゃんはどうでしょうか。このような状況でなければよいですね。』
と言った。