僕の好きな彼女
ベッドに横たわったまま、リクライニングシートを起こして病室の窓から外を見た。
夕暮れの世界はオレンジ色に染まり、いつかの彼と出会った時のことを思い出させた。
あれは夢だったのだろうか?
最近、私はそんなことを時々思う。
そして、その度に自分の手を夕陽に透かしてみる。
手を立てて太陽に向け、指に沿って赤い血潮の色が見えるたび、私は自分が生きているのだと感じて、思う。
この赤に添って、あのとき感じた手の感覚は、絶対に夢なんかじゃない。
死んでなかったとしたら、私の早合点で、
もしかして、あれは――幽体離脱――だったのかな。
だから、