僕の好きな彼女
「ある訳ないじゃない!かっこつけて言ってみただけ。
だって私は、もうすぐ『消え去るだけ』だから。
でも、アイツにとっては別かもね。
あり得ないはずの『幽霊』があると分かったなら、その『呪い』なんてものももしかすると実在すると思っちゃうかも」
そんな風にあっけらかんと語る彼女は、そのとき始めて僕の身近な年格好の女の子に見えた気がした。
でも、
彼女の願いは叶えられた。
だけど、そこで『概ね』と僕は思い直す。
「そう言えば結局尋ねなかったんじゃないか?」
僕の問いに彼女は、
「何を?」
と聞き返した。
「あいつが、君の両親に謝るつもりはあるのかってことさ」
僕のその指摘に彼女が「ああ」と一度頷いた。