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僕の好きな彼女

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彼女はそう続けた。
コトバの中でさらりと流して話したが、彼女が言う『今のところ最後の被害者』とは、つまりは彼女自身のことに他ならないのだろう。
「あのとき、誰かが言ってたっけ。『犯人は見つけてもらいたがっているんじゃないか』って。だって、あんまり単純だもの。犯人は何かの理由で『殺し続けること』は止められないけど、心のどこかでは見つけて、捕まえて、止めてもらいたがっているんじゃないかって。本人も気がついていない『理性の告発』が、そこにあるんじゃないかって」
彼女は淡々とそう続けた。
だから僕は
「へえ」
と息を漏らすような相づちを打った。
しかし、
「でも」
と彼女はコトバを続けた。
作品名:僕の好きな彼女 作家名:匿川 名