更新日時:2016-05-19 05:33:49
投稿日時:2016-02-19 18:21:11
托卵結婚
作者: 楡井英夫
カテゴリー :現代小説
総ページ数:1ページ [完結]
公開設定:公開
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著者の作品紹介
夫が亡くなって二か月後、奥さんは夫の保険金をもとに新しいマンションに引っ越した。その新しいマンションというのが、自分の実家近くである。
実家に帰ったとき、奥さんのマンション近くの駐車場で、BMWから降りる常務を見た。おそらく奥さんのところにいくのだろうと推測した。二人の関係が続いていたところで、別に罪を犯しているわけではない。子供が仮に常務の子であったとしても、大野が死ぬ理由にはならない。嫌なら離婚すればいいだけの話である。美人の奥さんは、常務との関係を続けるために、わざと、人が良く、気弱な大野を結婚相手に選んだのではないか。ひょっとしたら、「この子はあなたの子じゃない」と囁き、彼を自殺に追いやったかもしれない。むろん、単なる邪推かもしれない。ただ大野が憐れでしかたなかった。
実家に帰ったとき、奥さんのマンション近くの駐車場で、BMWから降りる常務を見た。おそらく奥さんのところにいくのだろうと推測した。二人の関係が続いていたところで、別に罪を犯しているわけではない。子供が仮に常務の子であったとしても、大野が死ぬ理由にはならない。嫌なら離婚すればいいだけの話である。美人の奥さんは、常務との関係を続けるために、わざと、人が良く、気弱な大野を結婚相手に選んだのではないか。ひょっとしたら、「この子はあなたの子じゃない」と囁き、彼を自殺に追いやったかもしれない。むろん、単なる邪推かもしれない。ただ大野が憐れでしかたなかった。