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てっしゅう
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「恋愛病院 不倫病棟パート2」 最終話

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年末年始の休みが明けて早奈枝は大切な話をしなければならなくなっていた。

「先生、お話したいことがありますので仕事が終わりましたら聞いて頂けませんか?」

「どうしたんだい?今話せないのなら夜ご飯でも食べながら話そうか?」

「ええ、ありがとうございます」

鉄男はいつにない真面目な表情で話す早奈枝のことが気になった。
新年早々悩み事が無いのか患者が少なかったので定時に終わって、入院患者の帰院を確認してその後消灯して二人は渋谷の町へ出かけた。

行きつけの料亭はまだ正月休みを取っていたので、仕方なく静かな場所という事でホテルのレストランへ入った。

「早奈枝くん、何か困った事でも出来たのかい?」

「先生、そうなんです。実は息子が結婚をしたいと言い出しまして、まだ就職したばかりなのにいわゆるデキ婚と言うやつなんです」

「それはおめでとうと言うべきか、仕方ないねと言うべきか迷うけど、ご主人はどう言っておられるんだい?」

「夫は渋々承知なんですが、先方さんがカタい職業のお父様で私たち夫婦と正式に話をしたいと連絡が来たんです」

「まあ、そうだろうね。それで何が悩みなんだ?」

「相手から私の職業を聞かれたときに、そのう困るなあ~って感じたんです。夫からは仕事をしていないと答えろと言われていますが、もし相手の両親に調べられたらウソがばれて息子はどうなるんだろうって思うと心が痛むんです」

「普通の看護師なら名乗れるっていう事か?そうだろうなあ~これを機会に退職したいという事なんだね」

「退職ではなく、何とか相手の両親にバレても恥ずかしくないようにならないかと思うんです」

「う~ん、無理をしてくれなくてもいいよ。キミには十分お世話になったからね。それに息子さんには子供が10月ごろに生れるのだから、何かと世話する必要が出来るよ。病院のことは心配だろうけど志津くんも里紗くんも頑張ってくれているし、亨くんもしっかりとしているから任せてくれていい」

「先生、私は辞めたくないんです。里紗さんや志津さんとも離れたくない。実際に孫が生まれて世話をしなければならなくなったらその時です。それまで家に居るだけなんて耐えれません」

「お相手と話が終わって挙式が済むまで家で準備をすると良いよ。連絡をくれればいつでも再開して欲しい」

「ありがとうございます。ねえ先生、私が戻れるという約束をしてくださらない?」

「口約束じゃあ信じられないというのか?」

「そんなこと言ってません!証文を書いてとも言いません。解っているでしょ?先生のこと好きだって」

「早奈枝くん・・・そんなことして約束したとなぜ言えるんだい?」