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からっ風と、繭の郷の子守唄 第66話~70話

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からっ風と、繭の郷の子守唄(66)  
「東日本最大の前方後円墳は、昼飯前の軽いハイキング・コース」

 群馬県の太田市は、自動車メーカーの城下町。
中島飛行機がかつての日本の航空機エンジンメーカーとして、
高い評価を得ていたことは、よく知られている。
GHQの占領政策のもと、軍閥として中島飛行機が解体された。
それから5年後。6社がふたたび結集して、スバルの名前で知られる、
『富士重工』が誕生する。

 太田市には長年にわたる、機械生産の歴史がある。
戦前の中島飛行機、戦後の富士重工とつづいたものつくりの歴史が
市内と近郊にたくさんの加工工場を育てたあげた。

 康平のスクーターが、満徳寺を裏手から眺めただけで再び走り出す。
太田市郊外の幹線道路を、快適さを保ったまま駆け抜けていく。
太田市は、長い距離の直線道路をいくつも有している。
最長を誇る県道2号線は、およそ20kmの距離を一度も曲がることなく、
太田市と伊勢崎市を繋いでいる。
市街地を経て、南北へ伸びる主要な道路。
東西方向へ走り抜けていく国道や県道もまた、長い直線を保ったまま、
次の目的地までまっすぐ伸びていく。