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からっ風と、繭の郷の子守唄（56)　
｢肥沃な大地をもたらした利根川と、島村の大型養蚕農家群」

　明治以降の繭の生産量は、長野県に次いで全国２位。
群馬は昭和２９年以降、一貫して全国１位の繭の生産量を誇っている。
生糸の生産量も全国１位。平成18年現在、全国の繭生産量のおよそ４５％。
生糸生産量の５０％を、群馬県産が占めている。

　日本の養蚕業は、江戸時代に諸藩が殖産事業として促進させたことから、
明治時代に隆盛期を迎えた。
良質の生糸を大量に輸出したもよく知られている。
明治の時代。養蚕業と絹糸は、外貨獲得のための重要産業として重視された。
富国強兵政策の礎を築いたと言われている。
日露戦争で使われた多くの近代兵器は、絹糸の輸出によって獲得した
外貨により購入されている。

　生糸の大量生産を可能にした技術が、幕末から明治初期に成立している。
画期的な養蚕技術の確立と、それに付随する幾多の発明がある。
当時の農家にとって養蚕は、貴重な現金収入源だ。
農家ではカイコのことを「お蚕様」と、カイコに「お」をつけて呼び、
それほどまでに大切にした。