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からっ風と、繭の郷の子守唄 第51話~55話

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からっ風と、繭の郷の子守唄(51)
「康平のお見合い相手は和歌山生れで、30歳になる座ぐり糸作家」

 千尋が入口から一番近いカウンターの席へ、大きな麦わら帽子のつばを
両手で抑えたまま、チョコンと小さく座る。


 五六が持ってきたビニール袋の中から、旬の野菜が次々に出てくる。
さやいんげん。ソラマメ。エダマメ。キヌサヤエンドウ(絹さや)。
ハチク(淡竹)。山菜の王者、コシアブラとタラの芽。
茹でるとシャキシャキした食感が心地よい、おかひじき。
五六が厳選した旬の逸品が揃っている。

 (五六のやつ、特別の野菜ばかりを持って来たな。
 旬の山菜の旨さと、無農薬野菜の美味しさを、千尋さんに教えたやれという、
 五六からのメッセージかな?)

 食材を選別しながら、康平が苦笑する。