「恋愛病院 不倫病棟パート2」 第九話
「男性介護士さんが相手?何をするというのでしょう?」
「予行演習です」
「その方と私が予行演習?そんなことして戴けるのですか?おばあちゃんですよ」
「大丈夫です。志津くん特別治療室まで美加さんをご案内してあげてください」
部屋に入った美加はそこに居た亨と対面した。
「初めまして。亨と言います。院長の指示に従って美加さんの不安を取り除く手助けをさせて戴きますのでよろしくお願いします」
「あっ、はい。美加です。亨さんは、そのう私で構わないのですか?」
「美加さんはお歳の割にはお美しいですよ。ご主人さまが求められる気持ちわかりますよ」
「そんな・・・61にもなってしわしわだし、体も恥ずかしいぐらいに弛んでるし。お世辞言って戴かなくても解ります」
「いえいえ、世間一般から見てお若く見えるし、きれいだと思っただけです。では、私がご主人だと思って今から始めますので、お気持ちを落ち着かせて深呼吸されて目を閉じてください」
そう言われて美加は目の前の亨をじっと見て恥ずかしそうに目を閉じた。
亨はそっと抱き寄せると優しくおでこ、頬、鼻にキスをしながら唇にそっと触れた。
「あっ・・・」
美加は予期していたとはいえその感触に自分の身体が10年前にタイムスリップし始めていた。
ゆっくりと時間をかけて二人が裸になっていた時には美加はもう早く来てほしいと願う状態に変わっていた。
あふれるほどの蜜が出ている入り口を確認して、亨は耳元で囁いた。
「治療は終了です。美加さんは十分ご主人と仲良く出来ますよ」
「そんな~ここでやめないで・・・」
「その思いを残して今夜でもご主人となさってください」
「いや!それはそれよ」
「困りましたね。ここまでにしろと院長に言われているんですよ」
「内緒にするから、ね?お願い」
亨は会った時の印象とは違う美加に女を見てしまった。10年間本当はしたかったと思えたのだ。
しかし慰めるのは夫の仕事だ。治療を終了して亨は美加を送り出した。
作品名:「恋愛病院 不倫病棟パート2」 第九話 作家名:てっしゅう