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☆自転車☆
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志旬季。

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 翌朝、学校前にスマホを開く。インターネットをつなぐと、メルンのブログがブックマークに入っていた。たちまちウィンドウを開く。ログアウトして俺のパスワードでインしてみる。メールは毎日、届いていた。最新のブログにコメントする。コメント用の所に矢印を当てて、何を書こうかと考える。悩んで悩んだが、何も浮かばなかった。その不安定な気持ちのまま、俺は学校へと向かったのだった。教室に着いてからもどうする事も出来ず、授業中にスマホの液晶画面を見つめていた。
「仲谷!何している!」
あいにく、教師に見つかってしまった。俺とメルンとの通信手段だった四角い箱は、事情の知らない大人たちによって閉ざされてしまったのだ。
「仲谷は後で職員室に来い!分かったな?」
☆あいにくの呼び出しで俺の希望は失われた。親からの呼び出しがかかり、あいつの携帯だとバレるだろう。叱られるのが怖いんじゃない。メルンとの距離が離れて行くようで怖いんだ。
あいにく、両親にはこっぴどく叱られてしまった。放心状態だったため、耳から入って耳から抜けるとはこの事だと思った。そのおかげで説教が一時間程伸びた気がした。










作品名:志旬季。 作家名:☆自転車☆