小説が読める！投稿できる！小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ！

その犬はかつて皇帝と呼ばれた。
そして今再び名前を取り戻した。
皇帝は自らの道を征く。
皇帝は皇帝であるが故に、己が道を征く事しか許されず、迷い惑う事も許されない。
それが或いは皇帝の所以。
世界を組み敷き己の存在を示すため。
或いは仕えた民に報いるため。
皇帝は征く。
勇者と共に。
皇帝は征く。
誓いとして挫くとした邪悪を打ち砕くために。
心の底に残る狂った哄笑の幻影を打ち砕くために。
それが寧ろ皇帝の所以。
世界は皇帝の物であるのだから、故に皇帝は万物にその責めを負う。


だから、故に―――