お蔵出し短編集
16秒
『気に入らなかったかな』と寂しそうに笑った。
あんな顔をさせるつもりなんて無かったんだよ。
私凄く後悔してた。
今、私がこうして世界の終わりを迎える時、迎えないように努力をし続けている時、
私の側にあるのは、
笑っちゃうよね、
あなたじゃなくて、
あなたがくれたストラップで、
私自身はベッドの中で、
あなたのことを考えて夢見てる。
ちっちゃな希望とか、
ちっちゃな夢だとか、
ちっちゃな憧れだとか、
何もかもがそこにあって何もかもがそこになくて、
私は永遠に時間なんて続くんだとか、
私だけはいつまでも若いつもりで、
あなたとだって距離は縮まらなくてもいつでも手を伸ばせば届くんだって妄想して空想していまここであなたを求めて間違いだったってそれを知って悲しくなって