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＜2016.04.03.一部改訂＞


ふと、初めて二人きりで会った日のことを思い出した。
ほんと自分のどんかんさに、ほとほと呆れちゃうんだけど・・

「おい、何 笑ってんだよ。」
「え？・・やだ！ 笑ってなんか・・」

だって、あの日のこと思い出しちゃったんだもん。
まさか初めて２人きりで会ったその日に壁ドンされるとは思わなかったし。
告白なんかされると思わなかったし。
まさか本当に付き合うことになるなんて全然思わなかったし。

そんでもって、まさか床ド・・

「おい今、なんか気持ち悪〜い笑いしてたぞ。
さては・・」
（ぎくっ！）

突然、歩くのを止めるヒロキ。

「ふ〜ん？」
「何？」
（どきっ・・）

「そうやって、うろたえてるところを見ると・・」
「・・・。」
（目が泳いじゃう！）

「おまえって、意外と・・
むっつり・・」

そう言って真顔で身体を寄せてくるヒロキ。
せ、赤面するじゃないか！やだ〜〜っ！！

「ぷっ・・お前、顔が・・赤くなってるぞ？」
「やめて、そんな大きな目でジロジロ、人の顔見ないでよっ！
穴が開くじゃない！！」

「穴ぁ？ あ〜ははははっ・・」

もうぅ・・そんなに笑わないでも！
いつも人をからかってばかりで面白がって！もう、ひどいよ・・。

「ちょっと、や～め～て！ほんとに私、怒るからねっ！！！」
「うん、いいよ♪ 」

と言いながらいつもの極上スマイル。
ああ、これだ。いっつもこれで簡単に丸め込まれちゃうんだよね。
本当にムカつくんだから・・

「ん？それで？　さっき笑ってたのは・・
なんで？・・だったのかな？」

次はニヤニヤして意地悪〜く笑ってる彼。
くやしいけど顔見てるとあまりに素敵で見惚れちゃうから
怒れなくなっちゃうんだよね。

「もう、いいよ
好きに想像すれば？」

本職の役者相手にヘタな演技が通用するはずもないんだけど
最後の手段はだんまり作戦。
顔はガチ本気の完全無表情で。

「・・・うん？
本当に・・怒っちゃった？」
「・・・。」

がんばれ！怒った風の顔、キープするんだ！
私はガラスの仮面のマヤ・・じゃなくて迷女優 ＊＊子なんだから。
（ぷん！）

「ごめん！ごめん、ごめん。＊＊子
つい・・反応が面白くてやりすぎちゃうんだよな。
ご機嫌直して・・くれない？」

そう言って目を見てお願いしてくれたあといつものように腰に優しく手を添えて歩き始めた。
この自然にエスコートする感じが、本当に女性慣れしてるんだなって思えて、
嬉しいのとちょっと面白くないのと複雑な気持ち。

「怒った顔が・・かわいいから。
見たくなっちゃうんだよ。
いつまでふくれっつらしないで許してよ・・ね♪」

だから！その笑顔はやめろ！
いつもそうして自分の思うとおりに女の子転がしてるんでしょ！！
ああ妄想と現実の狭間で揺れる心
彼を好きなのか彼にムカついているのか？
なんか悔しいけど両方なんだよね。

ヒロキめ！頭に来た！もう〜〜〜〜っっ！！
我儘言ってやる！！

「ねぇ、ヒロキ。あたしソフトクリームアイスが食べたい！」(*ﾟ▽ﾟ*) ｂ
「なんだと!?なんで今ごろそんなこと言うんだよ。
さっき俺が見つけたアイスクリーム。うまそうだから一緒に食べようよって行ったとき、
おまえいらないって言ったぢゃないか！」

「だ・か・ら。私はミルクたっぷりの美味しいソフトクリームを食べたいの。
さっきのは馬車道アイスクリーム。 モナカでアイスを挟んであるアイス！
あれはあれで美味しいけど。。行きたいお店があるの！こないだテレビに出てたそのお店のが食べたいの！」

「なんだよ・・。どっちも似たようなもんじゃないか。」

今度は彼がちょっとふくれっつらする番・・


きっと、彼のファンの人は誰も、彼がこんな表情をする人だなんて思いもしないんだろうな。
心の中をストレートに、こうして気持ちをすぐ表情に出す彼。
普段、仕事モードの時はあたりまえだけど、あまり表情から心が読めない人だから。