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口 ~生死をかける討論会?~ 改変ver.

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司会:この討論に意味はあまりありません。ただ自分の過去を他の人に聞いてもらって、その意見を交換するだけです。
川島:んなことってあるのかよ!無駄なことさせやがって!
司会:ええ、本当に無駄です。なぜなら他の人がいうことは全て「わかっている」ことなんですから。
[間]
山崎:何…言ってるの?わかっていることなんて…。
大空:そうよ、何がわかっていることよ…、気づいてなんかないわ。
司会:いいえ、わかっていることなんです。頭のどこかで気づいてたりするんです。
川島:でも俺はどうすることもできない。
司会:他の方が言うように訴えることもできますし、ちゃんと真面目に働けば返せるはずです。返すのが大変だからって逃げていませんか?逃げまくりおじさん。
川島:うっ…。
大空:そんな風に言うことないでしょ。酷すぎるわ。
司会:こうでも言わないといけないんですよ、何も知らない高校生のガキんちょさん。
大空:ガキ…、どこが餓鬼なのよ。私は頑張って耐えて結果がこれなのよ!
司会:何を頑張りました?
大空:だ、だから耐えたのよ!
司会:たったそれだけで?耐えただけで頑張ったと?馬鹿馬鹿しい。
大空:あんたさっきから何様なのよ!偉そうに人の判断に口だして!
司会:何も周りに言ってないのに、聞いてくれないってわかるんですかー、そうですかー貴方は予言者なんですね羨ましい。
大空:人の話聞きなさいよ。てか馬鹿にしてんの!?予言者なわけないじゃない!
司会:じゃあなんで聞いてくれないって言い切ってるんですか?
大空:そ、そんなの周りの反応を見ればわかることでしょ!
司会:本当に見えてますか?
大空:見てるわよ!
司会:心も?気持ちも?
大空:気持ち…?心…?
司会:全てを聞いてない甘ちゃんの高校生の答えがこれだなんて本当に甘ちゃんですよクソ餓鬼さん。
山崎:ふざけないで!そこまで言われなきゃいけない理由なんてあるの!?
司会:貴方も同じですよー被害妄想強すぎおばさん。
山崎:誰がおばさんよ!被害妄想?
司会:何も言ってないのに手伝ってくれないと言い、皆も大変だろうけど私はもっと大変だと思って自殺するなんて私からすれば被害妄想でしかありませんよ。
山崎:被害妄想?貴方ちゃんと意味を理解した上で言ってるの?
司会:被害妄想とはたえず他人から害を加えられると思い込む精神病的症状っていう意味のはずですよ。まさにその通りじゃありませんか。皆は私に仕事を押しつけて私は忙しくなる手伝って欲しいけれどきっと言っても手伝ってくれない。たまに居るんですよねー、こういう過労自殺の人。
山崎:それのどこが被害妄想なのよ!過労で自殺した他の人たちも皆そうでしょ!
司会:いやいや貴方の理由と同じになんかしないでください。過労で自殺された方はたいてい周りに手伝って欲しいと言っていますよ。
山崎:で…、でも!
司会:でももクソもないんです被害妄想強すぎおばさん、小学生でも言えるでしょう「手伝って」という一言を。何故言えないんですかねぇ?
山崎:でも…、本当に大変なのは大変なのよ…(泣き始める)
司会:なら余計言わなきゃいけないでしょう、貴方はわかっているんですよ言わなければならないということを。
海本:いい加減に
司会:ピアノが弾けない自分は価値がない、だから死んだ。(遮るように)そう言いましたね。
海本:そ、そうよ。
司会:貴方の価値観が「ピアノを弾ける」なら、「ピアノが弾けない」貴方の友人や親はどうですか?価値がないんですね?
海本:価値観なんて人それぞれでしょ!
司会:でも海本さんの価値観でいうとそうなりますよ。貴方は「事故にあって手が動かなくなった私はなんて不幸なのだろう!でも死ねば誰もが私の死に嘆き悲しんで私の価値がでるわ!」という我が儘で、くだらない理由で自殺したんですよ我が儘お姫様。
海本:そんな訳ない!死んだらそれこそ価値も何もないじゃない!
司会:なら何故死んだのですか?まだ貴方には価値のあるものがたくさんあるじゃないですか。それで今度は別の誰かを、貴方の手で価値のある人間にすればいいじゃないですか、そうすれば貴方にも別の価値が出てくるはずだったのに。
海本:そんなの…考えられないわよ…。



川島:もう…どうすることもできないのか…。
大空:死んじゃったんだから…、もう遅いよ…。
山崎:悔いの残る人生なんて…、最低だ…。
海本:なんでもっと早く気づかなかったんだろう…。
司会:皆さん、何か勘違いされていませんか?まだ死んでいませんよ?
四人:え?
司会:最初に申したとおり、皆さんは生き返るチャンスを与えられたんです。しかしそれを決めるのは貴方たち次第です。
山崎:生き返る…、
大空:チャンス…。
司会:いかがいたします?生か死か、選ぶのは自由です。
大空:…何もしないで耐えるだけで頑張った気になっていた、でも私が変わらなきゃ周りも変わらない。ちゃんと気持ちを伝えたい、「孤独」を感じる私のこの気持ちを。そしてクラスの皆とも遊びたい。
海本:手が動かなくなって、周りが何も見えずにいた。ピアノが弾けないことがすごくショックで何も考えられなくなって、まだ道はたくさんあるのに誰にも相談せず周りがかわいそうな目で私を見てくることに耐えられなかった。でも自分が変わらなきゃ周りも変わらない、そして先へ、未来へ続く道を見つけなきゃ。
川島:俺は頑張った、もう打つ手はない。なんて甘えてたな、まだ金を返す手はある、どんなに暴力をふるわれようとも、利子が膨らんでいこうとも、俺はまだ頑張らなくちゃならない。
山崎:年を重ねるごとに私がしなきゃいけない仕事が増えて大変だと思ってた。でもそれを周りのせいにしてた。確かに何も周りに言ってないのに手伝ってくれないなんて言っちゃいけないわ、ちゃんと私の口から言わなきゃ「助けてほしい」っていう言葉を。

司会:やっと気づきましたか。そう、貴方たちの周りには支えてくれる人がいる。それは知り合いでなくても相談できる人もいます。こんな有名な言葉がありますよね?「人という漢字は、人と人が支え合ってできている」と。そう、人は支え合って生きていかなきゃいけないのです。思ったことをいって解決し、悩んでいることを相談して解決し、できない仕事があれば手伝い合い、解決できないことを相談して解決をする。しかしこれらのことは自分の口から言わなきゃ何も始まりません。こう思ってるの、こんなことがあったの、これができないから手伝ってほしいの、こんなことがあったんですがどうしたらいいでしょうか、など全てのことは自分の口から始まるのです。
川島:自分の
大空:口から…。そうだね、人って言わなきゃわからないめんどくさい生き物だもんね。
海本:めんどくさい生き物って、まあ確かにそうだけど。
山崎:皆めんどくさい生き物なんだよ、人間以外の動物でもね。
司会:それでは改めて聞きましょう。生と死、どちらを選びますか?
四人:(顔を見合わせて頷き)生きる!
司会:わかりました、生きるからには二度とこ場に戻ってこないようにしてくださいね。
川島:もちろんだ。
司会:よろしくお願いします。それではリターン!!


【9.その後】