小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

口 ~生死をかける討論会?~ 改変ver.

INDEX|3ページ/5ページ|

次のページ前のページ
 

大空:なんでなの?なんで「思春期」っていうたった一言で片付けちゃうの?確かに思春期だけどいつもそれで片付けるのはおかしいんじゃないの?大人はそうやって簡単に片付けるのが楽なだけなんじゃないの?だから大人は嫌いだ!



大空:ごめんなさい。
海本:そんな風に言うのは確かにそうだけど、美優ちゃんは何かしたの?
大空:何かって何よ…。
山崎:周りに声をかけるとかそういうこと。
川島:何か言わなきゃ気づかないぞ。
大空:言ったって無駄よ…、親はどうせ仕事仕事、クラスのやつも私を無愛想だって言うだけ。私のこと何も知らないくせに
山崎:それは
司会:すいません、お次の方に参りましょう!(遮るように)
川島:おい、今話そうとしてた
司会:お・じ・か・ん・で・す★(遮るように)
四人:…
司会:それでは最後に川島さんの過去です。チュウシエン コウチー!
[暗転]

【7.川島過去】
[居酒屋で呑んでいる]
後輩:先輩、お願いしますっ!保証人になってください!
川島:あのなぁ…、先輩にそれを頼むか?それにお前ちゃんと返せるんだろうな?何回も借りてるそうだが 。
後輩:そ、それは…。でも今はちゃんと就職してるし、返せます!五十万円、お願いします!
川島:…今回だけだぞ、今回以降はしないからな。
後輩:川島先輩…!、ありがとうございますぅぅぅ!
川島:わかったわかった、それじゃあ今度一緒に行くか。
後輩:はい!
[暗転]
金貸:それじゃあこれが五十万円です。
後輩:ありがとうございます。
川島:ちゃんと返すんだぞ。
後輩:はい!
[暗転]

金貸:川島さーん。川島さーん?居るんですよねー?(音声のみ 声出し続ける)
川妻:貴方…、なんで保証人になんかなったのよ。
川島:あいつは信頼できるやつだったんだよ…、だから…。
川妻:これからどうするの…、利子が膨らんでもう百万近くいってるじゃない…。そんな大金払えるの?
川島:今考えてる!俺だってどうしたらいいのかわからないんだよ…。俺みたいな小さな会社、社員たちの給料と俺たちの生活費でいっぱいいっぱいだし…。
川妻:いっそのこと逃げちゃいましょう!
川島:そんなの無駄だ。まずそんな金もないだろう。
川妻:じゃあどうするのよ、もう私耐えられない!
川島:…すまん。
川妻:お願い…別れて…。もう嫌なの…
川島:っ…わかった、別れよう…。
[暗転]

川島:お願いです!もう少し待って下さい!今週中には必ず、必ず払いますから!
金貸:できるんですか?会社は倒産、奥さんにも見放されて返すあてもない。八方ふさがりでしょう?元々の借り主の後輩さんも姿見えませんし。
川島:そうだ…、あいつは、あいつはどこに居るんですか!?
金貸:知るはずないでしょう?知ってたら貴方の元になんか来てませんし。とりあえず、元金利息合わせて九十万、きっちり払って下さいよ。
川島:九十万!?たった半年で四十万も増えるわけないでしょう!?
金貸:ちゃんと契約書には書いてありますよ?ほら、
川島:そんな…、こんなの新しく書き足したんでしょう!それに不当な利子は認められないはずだ!
金貸:契約書で契約しているかぎり!…不当だとしても可になるんですよ。
川島:そんな…、くそ…っ!
[暗転]

大空:何これ、詐欺?
川島:そうだ、俺の後輩が五十万円を借りたんだ。もちろん銀行には断られた。でも借りたのが闇金だったなんて…。
海本:借金するやつもやつだが、保証人になる川島さんも川島さんね。
山崎:親が言っていました、「借り主になってもいいが、保証人にはなるな」って。
大空:なんで?
山崎:借り主は借金を踏み倒せるし、自己破産すればいいからね。
大空:そっか…。
海本:かなりせこそうだけど…。
川島:でも俺はできなかったんだよ。だから俺も耐えられなくなって…。
海本:訴えればいいじゃない、契約とはいえ不当な利子であればできると思うんだけど。
川島:そんな費用用意できるわけないだろう。その日ぐらしだ。
大空:それこそ周りの人に言えばいいのに。
川島:巻き込むわけにはいかないだろ。
山崎:そうよね…。
[暗転]

【8.結果】
四人:(話し合っている)
司会:皆さーん、そろそろ結果はでましたかー?
山崎:ええ、まぁ。
司会:それでは一人一人言っていただきましょう。誰が死ぬべきで誰が死なないべきか。川島さんから。
川島:俺以外は死ぬべきじゃない。俺はどうにもならねぇが他のやつらはどうにかなるだろう。
山崎:それは私も同じで、自分以外は死ぬべきじゃありません。
海本:同じです。
大空:同じだよ。
司会:それは何故ですか?
川島:山崎くんと大空くんは同僚とか親に言えばいい、海本くんは先生になればいいからだ。
山崎:私は周りが聞いてくれない。でも川島さんにはまだ味方がいるはずです。海本さんもピアノの知識を使えばまだまだ何かができるはずです。美優ちゃんは周りの人に話せば良い。
海本:私にはもう価値がない。でも川島さんは訴えようと思えばできるはず、山崎さんも美優ちゃんも周りに言えば変化があるはず。
大空:私の周りは動いてくれない。川島さんのは難しいからよくわかんないけど、周りを頼ればいいはず。山崎さんも周りに言えば手伝ってくれるはず。海本さんは先生とかになればいい。
[しばらく早口で]
川島:だーか−らー!そんな甘くみないでくれ、テレビとか、喜劇でやるような借金地獄とは違うんだよ!
海本:でも訴えるっていう手段は使えますよ。
川島:そんな金ねぇんだよ!お前はまだ音楽の知識があるだろ!
海本:あっても弾けなきゃ意味ないのよ、あって何になるの?あっても価値はない!
山崎:貴方それでも音楽家ですか?音楽の知識に価値はないなんて言っちゃいけないでしょ。音楽の知識があれば先生にも、作曲家にもなれるはずよ。周りに相談すればいいのに。
海本:それを山崎さんに言われたくないわね。周りに手伝ってって言えば手伝ってくれるはずよ。何も言ってないのに結果なんかわかるはずないでしょう。
山崎:わかるのよ、うちの部署は人数少ないし一人一人の仕事量が多いのよ。
大空:ブラック企業なら辞めればいいじゃん。
山崎:簡単に言わないで、私の歳で再就職するなんて難しいのよ。貴方こそ人のこと言ってないで親に何か言いなさいよ。
大空:何言ってもどうせ聞いてくれないんだから意味ないの。私の過去ちゃんと見てたの?仕事に行くって言ってすぐに行っちゃって、私は大丈夫だと思って。
川島:大丈夫だろう、思春期だがある程度のことはできるんだろう?
大空:思春期って言葉をすぐ使わないで!思春期じゃなくても嫌よ!
四人:(しばらく言い争う)

[司会が大きく拍手する その場が静まる]

司会:皆さん、素晴らしい討論です。実に素晴らしい討論です。
大空:何言ってるの?これの何処が素晴らしい討論なの?
山崎:皆でただ言い合ってるだけじゃない。
司会:それが素晴らしいんです。それだけ言い合えるってことは、お互いを思い合ってるからですよ。「喧嘩するほど仲が良い」っていうようにね。
川島:それはどうでもいいが、俺たちはいつまでこれをし続ければいいんだ?
海本:それにこれに何の意味があるのよ。