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縁結び本屋さん~神様のご利益~

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そして結末




   *   *   *


 一年後、何故か俺はあの時の女の子の隣を歩いている。
 元々あの少女も、噂に関わらずあの本屋の常連だったらしく――そう言えば本屋で俺を見かけたとか言ってたし――、気づけば挨拶を交わして、なんとなくそのまま本の話をしたりするようになり。
 まあ、改めて告白されたと言うわけではなく。
 つまりはまあ。
 俺から告ったと言う訳で。
「あ、明日新刊出るね。買う?」
「ん? 俺今回好きな人いないし、いいや」
「そうなの? 私オススメの人が居るよ。今度読んでみてよ」
「気が向いたらね」
 そんなそっけない話でも楽しそうにしてくれるのが、俺の一番の敗因だった。
 一回振っておいて何だよとか言われるかもしれないけど。まあそこは臨機応変と言う話で許してほしい。
「じゃあオススメの本持ってきて交換しよう?」
「んー?」
「私宝物の本いっぱいあるから。ね?」
「……うーん、まあ。気が向いたら、ね」
「うん、気が向いたらね」
 友人が聞いたらひたすら怒りそうな反応を返しても楽しくしていてくれるからありがたい。
 今度ケーキでも奢りながら、好きな小説の話をするのもいいかもなと、俺は思った。



 縁結び本屋さんの効果は、少し遅くなっても出てくるものらしい。
 俺もまんまとやられた訳だ。