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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「隣人」 第一話

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「こんなかわいい女をあの面の男が抱いているのか・・・」

そう思うと悔しくなってきた。
面識が出来てそれから顔を会わせると言葉を交わす程度になっていた。
暖かくなってきて着るものが薄くなり美枝子の胸のふくらみとか素足の魅力に自分の気持ちが高ぶる。

水曜の休みに洗濯をしているとこの日は珍しく美枝子も仕事を休んだのか洗濯をしに出てきた。顔を見合わせて会話をする。

「あれ、今日はお休みですか?」

「ええ、仕事は辞めたんです」

「どうしてですか?」

「主人が転勤するので準備とかしないといけなくなったの」

「どちらへですか?」

「広島なの・・・遠いでしょ」

「大変ですね。ボクは転勤が無いところなのでいいんですけど」

「田中さんはお幾つなんですか?」

「22です。大杉さんは?」

「幾つに見える?」

「そうですね、27~28ぐらいかな?」

「今年30になるの。あなたから見たらおばちゃんね」

「そんなことないですよ。綺麗だし、若く見えますよ」

「お上手ね。田中さんの若さが羨ましいわ」

「旦那さんは幾つですか?」

「五歳上なの」

「まだまだ元気ですよね?」

「ええ?そうね、仕事は忙しいらしく家に帰ってくると疲れたっていつも言ってるわ」

「ボクなんか暇持てあましているので身体がなまってきましたよ」

「どんな仕事しているの?」

「レンタルショップの店員をしてる。高卒だからいい仕事も見つからなくて・・・」

「これからよ。聞いていい?彼女いる?」

「居ないです」

「かっこいいから居ると思った」

「大杉さんみたいな綺麗な人が出来ると嬉しいけど」

「まあ、こんなおばちゃんなのに嬉しいこと言ってくれるのね」

「旦那さんとは仲いいんですか?」

「うん、そうね、普通だと思うけど」

美枝子は話をして安心したのか、信頼したのか祐介を誘った。

「もうお昼よね。いつもご飯はどうしてるの?」

「外食です」

「じゃあ、昨日の残り物が余ってて捨てるのももったいないって思うから、後で持っていってあげるから食べてくれる?」

「本当ですか?ぜひ頂きます」

「洗濯が終わったら用意するから待ってて」

部屋に戻って少し片付けをした。散らかっている訳ではないが、見られて恥ずかしくないようにと感じたからだ。
作品名:「隣人」 第一話 作家名:てっしゅう