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藍城 舞美
藍城 舞美
novelistID. 58207
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乙女たちの幻想曲 第2回 風の吹く場所へ

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 鳥の後を追いながら進んでいくと、2人はいつの間にか森を抜け、別の地に来ていた。そこの地面は真っ白で、踏んだ感じが、低反発枕の上でも歩いているかのようなものだった。
 森の出口から100メートルほど先まで進むと、2人を連れていった鳥は、彼女たちの後ろに飛び、少し離れて地面に下りた。
 すると、風美歌たちは、そよ風よりもやや強い向かい風を顔に受け、顔を僅かに上に向けた。

 その直後であった。何と、颯がゆっくりと目を開いたのだ。彼の目の前には、真っ白な地面が見えている。彼は、驚きのあまり声を漏らした。
「颯はん、どないしたん?」
 颯は、風美歌のほうをくるっと向いた。彼の両目は開き、潤んでいる。
「風美歌さん、あなたの姿がよく見えます」
 その声を聞いた風美歌は、いよいよ小刻みに震え出した。
「え、ほ、ほんまに?」
「はい、とても愛らしいです」
 少女もうれしさのあまり目に涙を浮かべ、ギリシャ彫刻のような顔の青年と抱擁を交わした。