からっ風と、繭の郷の子守唄 第40話~45話
競技では水槽や火点の位置、台詞や動きまで決まっていて、
全国規模で、大会(郡市大会・都道府県大会・全国大会)が行われる。
ポンプとホースの操作の正確さとともに、動きの華麗さなどを競い合う。
採点は動作における正確さと、火点の的が倒れるまでのタイムが
減点法で採点される。
減点が少ないチームほど上位とされる。
各操作の習得を普段から行うことが、火災現場で役に立つ。
規律ある動作や、的確な命令と行為の伝達が、火災の現場では常に求められる。
混乱しがちな現場において、正確な操作と、命令を遵守した行動を
とることは消防隊員たちの、重要な努めになる。
「是非にと言われて断ったのでは、男がすたる。
いいだろう、受けて立とう。
お~い、お前ら、話はいま聞いたとおりだ。
3分団の綺麗なお姉さんたちと、ポンプ操法で腕比べをすることになった!
簡単に負けるんじゃねぇぞ。
こんな時だ、上州男児の心意気と、腕っぷしをたっぷり見せつけてやれ。
おっと、やばい。うちにも女子団員がいたんだ・・・・
まっ、いいか。そういうことだ。手を抜くんじゃねぇぞ、お前たち。
相手は3年連続で、地区大会で優勝している最強アマゾネス軍団だ。
相手にとって不足はねぇ。さぁさぁ、準備しろ、準備だ。
負けるんじゃねえぞ!」
アマゾネス軍団にも、続々と支援部隊が到着する。
分団のため着をしている制服は一緒だが、はなぜか雰囲気に雲泥の差がある。
3分団の車両の前に整列している女子団員5人からは、明るい色気と、
笑顔が溢れている。
「大丈夫か、おい。
一ノ瀬の消毒のはずが、なにやら妙な雲行きになってきたぞ・・・・。
それにしても女性の多い3分団には、実に華があって、
見るからに美しいなぁ」
康平はとつぜんの分団同士のポンプ操法対決に、舞い上がっている。
しかも目の前には美人ぞろいの、3分団員たちが立っている。
(ホントだ。3分団には、目を疑たがうような美人がそろっている・・・)
(46)へつづく
作品名:からっ風と、繭の郷の子守唄 第40話~45話 作家名:落合順平