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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「優しさの行方」 第四話

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時刻は午後0時になった。

「友幸さん、たまきよ。解る?」

再び夢に出てきた、たまきは少女ではなかった。

「うん?たまきちゃん?ボクの知っている人とは違うよね?どこのたまきちゃんなの?」

「おなじたまきよ。二十歳って言ったでしょ?」

確かに体は二十歳ぐらいに見えた。

「どういうことだ?あっという間に成長したと言うのか?」

「違うの。友幸さんのこと解るまで少女の姿をしていたの。こんな私じゃイヤ?」

「そういうわけではないけど、ボクには何が何だか分からなくなってきたよ」

「ごめんなさいね。たまきはあなたとは違う世界に住んでいるの。だから0時から2時までの二時間だけしか会うことは許されていないの。理由は友幸さんのところにそれ以上居ると戻れなくなるからなの」

「幽霊だと言うのか?」

「ちがう!足もあるし身体もあるよ。証明してみせるから今日はたまきも覚悟を決めたの。三つ数えるからゆっくりと目を覚まして・・・そのあと大声出してはダメよ、何が起こっても。いいわね?」

「何があっても?うん、そうするよ」

「じゃあ、一、二、三・・・」

ゆっくりと目を開けた。
隣に誰かが寝ている。まさか!

「友幸さん、たまきよ。初めましてよね?」

声が出なかった。心臓が張り裂けそうになっていた。
ここに居るのは普通の女性ではなく幽霊か何かの化け物だと思えたからだ。

「これは・・・どうしたことだ」

「心配しなくてもいいのよ。幽霊じゃないから。触ってみて、温かいし、足もあるのよ」

少し布団をめくって、たまきは素裸の自分を友幸に見せた。薄暗い月明かりがさす部屋で真っ白な女性の肌が映し出されていた。

「ほら、おっぱいもあるのよ。触って良いよ。ずっと思って来たでしょ?たまきは友幸さんが好き。わたしも男の人は初めてよ。汚れてない。だから大切に考えて好きなようにして?お願い」

「信じられないよ。怖い気がする。正直言ってゴメン」

「そうよね。突然現れたから仕方ないよね。2時になったら帰らないといけないので、あまり時間は無いの。ねえ、嫌いじゃないならぎゅってして・・・当たり前だけど傷つけたり、一緒に連れて行こうなんて考えていないから」