「恋愛病院 不倫病棟」 第四十四回
朝まで志津の部屋で過ごした鉄男は、約束通りパーキングまで送ってもらい、そのまま病院へと向かった。
「おはようございます」
笑顔で診療室の扉の前で早奈枝は立っていた。
「昨日は一日留守をして申し訳なかったね。ご苦労様でした。何か変わったことは無かったかな?」
「はい、いつも通りでしたよ。それより先生って自宅に帰られなかったのですか?」
「うん?どうしてそんなこと聞くんだね?」
「だって、昨日お出かけの時と着ているものがネクタイもご一緒ですよ」
「あっ、そうか。なるほど」
「なるほどじゃないですよ。悪いことでもなさってこられたのですか?」
「いや、講演が終了して主催者のみなさんたちと渋谷で飲んでいて、車で帰れなくなったから泊まったんだよ。それだけだよ」
「そうでしたか。じゃあ、志津さんとご一緒だったんですね」
「ああ、そうだよ」
「彼女何か話しませんでしたか?」
「何かって?」
「私のことは話さなかったんですね?」
「特別に何か言われたわけじゃないよ。何か気になることでもあるのかい?」
鉄男はウソをついた。
「いいえ、そう言うわけではありません。先生の好みなんじゃないかって心配しただけです」
「志津さんが、か?」
「ええ、スリムで美人でしょ。宝塚スターみたいに見えるから、先生が誘惑されたら困るなあ~って考えていました」
「ボクはそういう男じゃないよ。恋愛病院の医師として、恥ずかしくない自分で居たいからね。公私は混同しない」
「素敵ですわそのお気持ち。信じていいのですね?」
「ああ、早奈枝くんや里紗くんを裏切るようなことはしないよ。それより話があるから今日終わったら付き合ってくれないか、里紗くんと一緒に」
「里紗さんも一緒にですか?なんかつまんない」
「おいおい、仕事の話なんだよ。つまんない、は無いだろう」
「言い過ぎました、ゴメンなさい」
「里紗くんにも伝えておいてくれ。それと場所はここじゃなく食事の出来るところにするから予約しておいてほしい」
「いつもの所ですね?」
「ああ、それがいいね」
「おはようございます」
笑顔で診療室の扉の前で早奈枝は立っていた。
「昨日は一日留守をして申し訳なかったね。ご苦労様でした。何か変わったことは無かったかな?」
「はい、いつも通りでしたよ。それより先生って自宅に帰られなかったのですか?」
「うん?どうしてそんなこと聞くんだね?」
「だって、昨日お出かけの時と着ているものがネクタイもご一緒ですよ」
「あっ、そうか。なるほど」
「なるほどじゃないですよ。悪いことでもなさってこられたのですか?」
「いや、講演が終了して主催者のみなさんたちと渋谷で飲んでいて、車で帰れなくなったから泊まったんだよ。それだけだよ」
「そうでしたか。じゃあ、志津さんとご一緒だったんですね」
「ああ、そうだよ」
「彼女何か話しませんでしたか?」
「何かって?」
「私のことは話さなかったんですね?」
「特別に何か言われたわけじゃないよ。何か気になることでもあるのかい?」
鉄男はウソをついた。
「いいえ、そう言うわけではありません。先生の好みなんじゃないかって心配しただけです」
「志津さんが、か?」
「ええ、スリムで美人でしょ。宝塚スターみたいに見えるから、先生が誘惑されたら困るなあ~って考えていました」
「ボクはそういう男じゃないよ。恋愛病院の医師として、恥ずかしくない自分で居たいからね。公私は混同しない」
「素敵ですわそのお気持ち。信じていいのですね?」
「ああ、早奈枝くんや里紗くんを裏切るようなことはしないよ。それより話があるから今日終わったら付き合ってくれないか、里紗くんと一緒に」
「里紗さんも一緒にですか?なんかつまんない」
「おいおい、仕事の話なんだよ。つまんない、は無いだろう」
「言い過ぎました、ゴメンなさい」
「里紗くんにも伝えておいてくれ。それと場所はここじゃなく食事の出来るところにするから予約しておいてほしい」
「いつもの所ですね?」
「ああ、それがいいね」
作品名:「恋愛病院 不倫病棟」 第四十四回 作家名:てっしゅう