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ギブアンドテイク【後編】

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多めに作ったごはんは、大食漢2人となぜか張り合った少食のわたしのお父さんの3人が食べきってしまった。


「デザートありますよ」

「わーい!」

「おまえがはしゃいでどうする」


お酒も入ったことで上機嫌な高峰が、テーブルの食べ終わったお皿をさげてくれる。

いつものことで、ありがたいけど……。

となりで流し台に皿を置いた高峰が、「気にすんなよ」とささやく。


「気に入られようとしなくても、俺が好きな相手を否定したりしない。見ただろ、俺の両親も単純なんだ」

「……うん」

「こんなに料理用意してくれて、ありがとう」


ーーどうしたって、かなわない。

たった1つの長所しか持たないわたしには、高峰はもったいない。

でも、彼のとなりは、わたしがいい。


「高峰」

「うん?」

「ずっと、わたしの料理好きでいてね」


わたしに足りないものは、彼が満たしてくれる。

彼に足りないものは、わたしが満たしてあげる。

そうやって、ずっと一緒にいようね。


「今さらだな」


高峰が笑って答えてくれる。

その笑顔を見たら、今になって、胸がときめいた。



*ひとまずおわり*