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エースを狙え

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    12:30


そして紅白戦が始まった。
俺は紅チーム側になった。ルーキーでは俺と野手の中島の二人だけで後は先輩だらけだ。捕手は矢代さん。他の投手は童宮さん、川城美鶴さん、日野悠馬さん、太刀野啓さんの4人。
矢代さんが俺の隣にきて声を掛けて来た。

「よう」

「あ、さっきはすいませんでした」

「いや、あのくらいの逸れは誰にでもある。それに一応ゾーンには入ってるしな」

「そうですか…でも修正するとこ一杯ですよね…」

「まあな。でも紅白戦は今日を抜いて後2回ある。来週の金曜日と開幕3日前の2回だ」

「オープン戦前じゃないんですか?」

「まあオープン戦はあくまで調整期間だからな、どんだけ打たれても構わないんだよ。オープン戦終了から開幕まで1週間あるから、そこで最終調整として最後の紅白戦を行うんだよ、一軍と二軍に分ける紅白戦をな」

「…なるほど」

「まあ監督は二回目の紅白戦である程度落とす選手を決めてるんだろうけどな」

「やっぱりそうですよね…」

「今日は打たれてもいいから気楽に投げればいいよ。多少の逸れは僕が何とかするから」

「注意する点はありますか?」

「そうだな…ストライクゾーンを高校時代より一回り狭くして投げる事かな。これを意識して狙えるようになれば貯金出来る投手になれるよ」

「やっぱりそこが一番問題ですよね…」

「お、向こう先発出てきたぞ?…立華か、同じルーキー同士とはいえ向こうは正捕手だしお互い負けてられないな」

「…そうですかね…」
作品名:エースを狙え 作家名:本宮麗果