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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「恋愛病院 不倫病棟」 第四十二回

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【今回は二部作になります】

早奈枝のところに志津から電話がかかってきて、都内で行われる介護団体の研修に鉄男医師を招きたいとの要請があった。

日程を調整して鉄男は早奈枝の顔を立てるように都合をつけて赴くことになった。
講演の内容は「男女間のトラブルに関する解決と性衝動への対応」と言うものだった。
恋愛病院での多くの経験から是非に話を若い介護士たちに聞かせて欲しいとの志津の頼みであった。

当日早奈枝と里沙に留守を頼んで鉄男は車を会場まで走らせた。都の研修施設で講演を終えて帰り際に志津に謝礼とは別に食事の接待をしたいと申し出があった。
特に予定が無かった鉄男は車をパーキングに入れて、歩いて繁華街へと二人で向かった。

「先生、本日は大変勉強になりました。みんな喜んでくれたと思いますわ。ありがとうございました」

「いや、こちらこそ。若い人たちにお話を聞いてもらえて嬉しかったよ。志津さんのおかげだ」

「本当ですか?嬉しいですわ。先生ってとっても見かけより紳士なんですね」

「見かけよりとは恐れ入るね。紳士だとは言われたことが無いけど、志津さんもこうしてみるとなかなかの美女だね」

「またまた、お世辞を。早奈枝さんのような美女を近くで見てらっしゃるのに良く言えましたこと」

「タイプが違うよ。たとえて言うなら志津さんは宝塚の男役トップスターって感じかな。早奈枝くんは熟女グラビアアイドルって感じだよ」

「ハハハ~先生面白い喩ですね。私は当たっていませんが、早奈枝さんはその通りだと思います。先生の好みなんでしょ?」

「早奈枝くんがか?」

「ええ、早奈枝さんは惚れてますよ。それはご存じなんですよね?」

「周りがそういうからね。でも志津さんのタイプの方がどちらかと言えば好みなんだよ。早奈枝くんには黙っててほしいけど」

「そう?じゃあ私が誘惑したら先生仲良くして頂けますの?」

「おいおい、そういう意味で言ったんじゃないよ」

「ええ、もちろんわかっていますわよ。早奈枝さんに叱られますからね」

話をしている間に目的の場所、志津がよく利用するバーに着いた。カラオケも歌ってご機嫌で閉店になった時間にタクシーを呼んで鉄男は乗ってきた車をそのままにしておいて家路につくことにした。

「先生お住まいはどちらですの?」

「世田谷だよ。246号沿いだよ」

「あら、偶然ですわね。私三茶なので途中までご一緒させて頂きますわ」

「そうなの、じゃあ一緒に帰ろう」

やってきたタクシーに二人は乗り込む。
深夜に渋谷から246を走り、すぐに三軒茶屋についた。