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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「恋愛病院 不倫病棟」 第三十八回

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女は感情が支配する領域が異なるのであろうか、使い分けることが可能だという。
男性はどちらかと言えば嫉妬が支配する狭い領域でしか女性を見れないかも知れない。

「お次の方お入りください」
早奈枝の声で男性が入ってきた。

「まずはお名前とお歳お聞かせください」

「はい、佐藤と言います。年齢は35歳です。独身です」

「では、どのようなご相談でしょうか?」

「彼女が居るのですが、結婚を約束しているのに他の男性と遊びに行ったりするんです」

「それをあなたに言っているのですか?」

「はい、だれだれさんと食事に行くとか、飲みに行くとか言います。誰って聞くと、友達だから心配しないでと言います。こんなの許していいのでしょうか?」

「佐藤さんは女性のお友達は居ますか?」

「ええ、もちろんいます。同級生とか、会社関係の人とか、趣味のサークルでの知り合いとかですが」

「その方たちとは二人で会ったり、食事したりはされないのですか?」

「彼女が居ない時はありましたが、今は複数で会う時はありますが二人ではないです」

「二人で会わないという事はやましい気持ちになるといけないという意味でですか?」

「それは無いです。彼女に対して誤解を招くことが無いようにしているだけです。友達だから変な気持ちを持つなんてないと思っています」

「では、何故彼女に誤解をされると思われたのですか?」

「一般的には男女が二人で会うという事はそれなりの感情があるという風にとられると思うからです」

「きっと彼女さんはあなたと同じように男友達と二人で会ってても、特別な感情が無いという自信があるからあなたに話して出かけているのだと思いますよ」

「そうでしょうか。私と居る時よりも楽しい時間だったという事もあるようなんです。それに嫉妬します」

「なるほどね。あなたとは将来を約束したとても大切な男性だから、たとえ話すことが面白くなくても嫌いになったりはしない。友達とは何かの利害が一致するからその部分では盛り上がれるし、楽しいと感じられるのでしょう」