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雪が降りしきる中、大学３回生の荻野小雪（おぎのこゆき）は、ウッドベースを担いで走っていく。
楽器を積んでくれるはずだった有川武（ありかわたけし）とは連絡がつかず、徒歩でジャズ喫茶『ブラックバード』に向かう。
店の中では、コンボのフロントを務める武がトランペットを吹いている。
病欠になった堤信洋（つつみのぶひろ）に代わって、店主の綿谷（わたや）がドラムを担当する。
ピアニストは友人の有川愛美（まなみ）で、小雪が所有するベースは彼らの兄弟である有川慎一郎（しんいちろう）から譲り受けたものだった。

彼はもうこの世にはいない。
亡き慎一郎のベースを弾くことは、一体誰のためなのだろう――

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全７章の長編小説です。

１．小雪の章　積雪
２．愛美の章　巻時計
３．信洋の章　残骸
４．武の章　　追悼本番
５．武の章　　不協和音
６．小雪の章　古小箱
７．小雪の章　花吹雪

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作中に登場する楽曲です。
本編のあとに歌詞を載せましたので、一緒に楽しんでいただければと思います。
（括弧内は参考にしたプレイヤー名および音源です）

『Bay Bay Blackbird』（Chie Ayado 『Life』）
『How High The Moon』（Count Basie Orchestra）(Ella Fitzgerald)
『Moanin'』(Art Blakey's Jazz Messengers)