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てっしゅう
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「恋愛病院 不倫病棟」 第三十四回

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恋愛病院では二人の看護師の治療だが、中には鉄男医師にどうしてもと迫るご婦人もいる。

「どうぞ中にお入りください」
里紗の案内で席に座った女性はじっと鉄男を見つめていた。

「ではお名前と年齢教えてください」

「は、はい。文子と言います。還暦の60になりました」

「ご相談は何でしょうか?」

「ええ、どんなことでもよろしいのでしょうか?」

「構いませんよ」

「では、この頃そのう、あちらの方が感じなくなって来たんです。主人とだからなのか自分の体がそうなってしまったのか解らないんです」

「具体的にはどうなってしまったと思われるのですか?」

「具体的に?先生恥ずかしいですよ~」

「例えば濡れなくなって痛いとかそういう事ではないのですか?」

「はい、濡れないのは確かです。主人とだからでしょうか?それともお相手が変わればそういう事にはならないのか解らないんです」

「なるほど。こればかりは試せませんからご主人との工夫をされることを考えましょう」

「先生?もし私が望めば治療としてそのう~試して戴けるのでしょうか?」

「うん?私が何を試すと?」

「もう~じれったいですわね。私の体がどうなっているのか先生に調べて戴きたいの。これって診察の範囲ですよね?」

「ああ~そういう事ね。困りましたね。一応すべての治療は二人の看護師に任せていますので、ボクは方法を指導するだけなんですよ」

「私は女性だし男性とのことでご相談しているので、看護師さんでは調べられないと思いますけど」

「気持ちとか、接し方などで十分ご相談に応じられると思いますけど、いかがですか?」

「先生が良いんです。恥を忍んで来たんです。このまま帰れません」

「そう言われましても、前例がないのでそういうことは出来ませんよ。ご不満でしょうがこれ以上はお答えできません」

里紗の後ろで話を聞いていた早奈枝が傍に来て口出しをした。

「文子さん、失礼ですがお話させて頂いても宜しいでしょうか?」

「あなたに話すことなんてないわよ。先生に相談しているんだから」

「そうですね、お気持ちはわかります。しかし、ご主人様と仲良く出来ることをご希望なんですよね?違いますか?」

「そうよ。でもそうならないから相談に来てるんじゃない。先生がちょっと調べて下さったら解ると思ったのに出来ないと言われたから帰るしかないわね」