「恋愛病院 不倫病棟」 第三十三回
「でしょ?きっとそう言うと思った。でね、私も監督だけど早奈枝さんと話してたら自分も出演したくなって来たわ。ねえ?予定外だけど二人でレズやらない?」
「レズ?出演経験あるの、志津さんって」
「ないわよ。だけど前のこともあるしね。早奈枝さんなら任せられるしきっと気持ちよくしてくれると思うから本気で臨みたいの。ダメかなあ?」
「ダメじゃないけど、本気になったら困るわ~夫でしょ、鉄男先生でしょ、それに志津さん、体がもたなくなりそう」
「アハハ~先生とは無いんでしょ?私とも今回だけだだから気にすることないって思うけど」
「女性は知ったら病みつきになるって言うよ。私より志津さんの方が心配なの」
「そうね、そうなったら東京で時々会いましょうよ。殿方もあと数年したらお相手してくれなくなりそうだからちょうどいいんじゃないの?」
「本気でそんなこと言ってるの?困った人ね」
「早奈枝さんもまんざらではないんでしょ?まあいいやこの件は撮影後のお楽しみという事にしましょう」
早奈枝は志津との再会がこんな形になろうとは思わなかった。
初日不倫旅行編での演技は周りを緊張させるほどのリアルで迫真の演技が展開された。ベテランの男優もいつもより早い顔射となっていた。
撮りなおすこともなく終えて、翌日の親子編のリハーサルが始まった。早奈枝の舌と風俗で鍛えたテクで新人の男優はあっけなく終了した。笑いながら「明日はよろしくお願いします」と言う早奈枝に頭を下げて新人は「すみません」とだけ言った。
二日目の撮影は新人の気を遣いながら本当の親子のような振る舞いに高い演技力を褒められた。今回だけと言う早奈枝にスタッフと事務所のマネージャーは何度も次回作を懇願したが、決心は動かさなかった。
そして志津との絡みのシーンを撮る時が来た。
部屋で寛ぐ自然な状況から二人はお酒の勢いをかって慰め合うというスタートを切っていた。
執拗に舌と指で志津を責める早奈枝は自分もかなりの本気で興奮状態にあった。
志津から指で責められた時に最初のオーガズムがやってきた。普段では得られない特異な状況で強く脳が刺激を受けたのだ。
もちろん志津は自分が解らなくなるぐらいに声を出して身を任せていた。
全てが終了して長野駅でスタッフと別れるとき、志津は近寄ってキスをした。
それが何を意味するのかは言われなくても早奈枝には解っていた。
作品名:「恋愛病院 不倫病棟」 第三十三回 作家名:てっしゅう