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てっしゅう
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「恋愛病院 不倫病棟」 第三十三回

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熟女ブームはAV業界でも人気があった。
かつて風俗で働いていた時に声をかけられ早奈枝は何度かAVを経験した。
その時の配給会社から久しぶりに連絡があり、50代の美女を特集するから出演して欲しいとの依頼が来ていた。

夫に了承を経て鉄男に有給休暇を願い出て、二日ほどの撮影時間をロケ先の温泉地で過ごすことになった。

監督は何と女性であった。それも応募でオーディションしたというから斬新である。
新幹線で長野に降り立った早奈枝は迎えに来たワゴン車で偶然ある女性と再会する。

「あら!志津さん!お久しぶりね。あなたも誘われたの?」

「早奈枝さん、再会できてうれしいです。わたしは演じるのではなく応募で監督することに決まったの」

「監督をするの?希望だったのかしら?」

「ええ、夫との離婚からいろいろとあったけど、これをきっかけに自分の中の新しい可能性を見出したいって思うわ」

「へえ~そうなの。私が来ることは知っていたの?」

「もちろん。私がお願いしたんだから」

「そういう事ね。事務所から連絡貰った時に良くスマホの番号が解ったと思っていたけど、あなたが誘ってくれたのなら納得よ。何だか楽しみね」

「うん、早奈枝さんは今回の企画では目玉なの。きっと有名になって次々とオファーが来るわよ。そうなったらどうする?」

「どうするって、今回だけのつもりよ。仕事あるからね。先生を一人には出来ないから」

「そういえば鉄男先生はご存じなの?」

「ええ、知っているわよ。ちょっと嫌な顔したけどAVだからね。違う男性と浮気するんじゃないから許してくれていると思う」

「鉄男先生のこと好きなんでしょ?よく出演を承知してくれたわね」

「まあね。もうこの年齢だと綺麗で居られるのは残り少ないって感じたから、これを記念にって決めたの。それに、夫も是非出ろって言うし」

「ご主人って理解あるのね。さすがね。何もかも早奈枝さんはすごい」

「褒めてくれている?呆れているのかな?」

「褒めてますよ、もちろん。そうそう男優さんはね不倫旅行編ではあの有名な人を呼んでるの。40代後半のきっと知ってると思うけど。あと禁断の親子編では新人さんを使うの。上手に導いてあげて」

「ああ、彼ね。私のこと覚えてはくれてないよなあ~多分。新人さんは幾つ?」

「内緒だけど18歳」

「マジ?ぎりぎりだね。そっちの方が楽しみ」