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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「恋愛病院 不倫病棟」 第三十一回

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「ええ、でも子供の受験が優先でしょ?早奈枝さんも同じ立場ならそうだったと思います」

「私は違うわよ。だって子供からは母親だけど夫からは妻なのよ。それぞれに責任ってあると思ってるわよ」

「受験の時期だけ我慢して欲しいというのはわがままな事なのかしら?」

「何年間しなかったの?」

「二人続けてあったから二年ちょっとかしら」

「男の人にそれは無理よ。妊娠中の一年でも我慢出来ないって思える」

「人によるんじゃないの?」

「女性も人によりますよ」

「私が悪かったっていう事を仰りたいのかしら?」

「いいえ、違います。ご主人が可哀想だって思うから弁護したいと思いました。奥様が離婚を考えなかったという事はご主人が好きという事なんですよね?」

「好き?家族には大切な人だって思っています」

「そうですか。では大切にされてください。相手が望むことを叶えてあげることが大切にするという事です」

「私は大切にされているのでしょうか?」

「もちろん、そうだと思いますよ」

「浮気したのに?」

「では、許すのではなく離婚されたらどうですか?そのような気持ちで一緒に暮らされても楽しくないし、ご主人に対しても失礼だと思います」

「簡単に言うのね。十分反省が見れたら許せるようになると思いますが」

「その前にご主人が離婚を言い出しても良いと言われるのですね?」

「主人から?そう言っていたのですか?」

「いえ、想像です。私なら一緒に暮らしたいなら許します。許さないのなら離婚か別居します」

「夫の責任は放免しろと?私が許せばうまく行くと考えているのですね」

「違いますよ。浮気の原因がすべてご主人の身勝手だと言われるのなら我慢されることは無いと思います。慰謝料たんまりと貰って私なら出てゆきます」

「やり直すというよりこのまま家族として暮らしてゆくのはいけない事なのでしょうか?」

「無理だと思います。今度浮気されたらその時はあなたがどう思われようと離婚になると思えますから」

「女は損ですね」

「いえ、自由だと思いますよ。考え方一つです。男の方が社会的制裁を与えられますから。男と女は好きか嫌いかです。それ以外は友達です。夫婦が友達になる方法は離婚です」

「考えてみます。早奈枝さんのように強い女にはなれないと思いますが、離婚は考えていませんから」

早奈枝は言い過ぎたと感じていたが、夫の身勝手も許さないのなら、自分のわがままも許してはいけないと思えたのだ。