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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「恋愛病院 不倫病棟」 第三十回

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「女性が自分の中で出してほしいと言うのは妊娠のための本能ですね。それは解ります。しかし、セックスパートナーとしての付き合いでそういうことは影響するのでしょうか?女性が感じるために努力をしている男性が報われないと思うんですけど」

「山本さん、大切な事を一つ忘れていると思います。私が先生に中で出してほしいと言ったのは、先生が好きだからです。その好きな人が一番気持ちいいと思えることをしてくれることが幸せだと思ったからです。彼女さんをイカせてあげてからあなたが射精すれば問題ないのではありませんか?」

「言われることは解ります。しかし出してしまうと萎えるじゃないですか。長く結合している喜びを感じたいから出さずに我慢して終われば、少しおいてまた始められるんです。彼女を何度もイカせられることが私の喜びなんです」

「イカせてもらえない女性からすれば何という素晴らしい考え方なんだと思うでしょうね。でも私は前のお仕事で何千人も射精して戴いてきたけど、皆さんとっても素敵な表情で最期を迎えられるから、そのことは歓びでしたわ。自分が女として輝いているんだと思わされましたもの」

「女として輝いているという事は、男性が自分の中で出すという事なんですか?少なくとも早奈枝さんはそう考えているんですか?」

「そういう決め事じゃなく、女性が嬉しいと感じるのは好きな人が自分の体で満足してくれることなの。もし彼女さんがあなたの行為で十分に満足されているのなら、あなたの努力に文句などいう事は無いと思えるのよ」

「どういう事でしょうか?ボクの行為に不満があるとでも?」

「あなたの行為に不満があるのではなく、あなたがそうしたことに不満、不安と言ってもいいかしら、感じられたのだと思いますよ」

「不安?何でしょう?」

「女はね弱いのよ。あなたが満足させていることに不満は無いと思うわ。でもそうすることであなたがより男らしくなってモテるように感じると嬉しくないのよ。身勝手だけど自分以外にもそんなことをしている女性が出来そうに思うから」

「わたしが浮気をすると疑っているというのですか?」

「浮気と言うより、モテすぎるだろうことが怖いのよ」

「彼女だからそうしているのにそれが解らないのかなあ~」

「あなたは、彼女さんがあなたのためと言って胸がみえるようなそしてショーツが見えそうなミニ穿いて毎日過ごしていたら嬉しい?」

「それは他の男に変な目で見られるからいやだよ」

「そうでしょう?同じことよ。あなたがセックスのテクニシャンになることは自分以外の女を満足させられる、どんな女性もあなたを忘れられなくなるという嫉妬に苛まれるの」

「なるほど。そういう事か。早奈枝さん、解りました。考えてみます。ありがとう」

山本は鉄男医師を羨ましいと感じながら、病院を後にした。