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てっしゅう
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「恋愛病院 不倫病棟」 第二十九回

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隣の芝生は青く見える。たとえ不倫でも幸せそうに見えたりするものだ。友達からの誘いに悩む女性がやってきた。

「お次の方、お入りください」
早奈枝は診察室に案内した。

「鉄男です。まずはお名前と年齢を聞かせてください」

「はい、理恵子と言います。50になりました」

「ではどのようなご相談ですか?」

「実は友達に彼を紹介したいと言われています。私に付き合ってあげて欲しいという事なんです」

「その友達の彼という事じゃないでしょうね?」

「違います。友達はカラオケで知り合った彼が居て不倫関係になっています。その彼の友人を私に紹介するというんです」

「理恵子さんはそれを望まれているのですか?」

「ええ、そうなんですよね。友達は旦那さんが事故で介護が要る生活になっています。そのストレスを発散させようとカラオケのグループに入り、そこで知り合った男性と深い関係になったんです。私は夫は健在ですが仕事人間なので夜の関係は全くなくなっています」

「なるほど。あなた自身に性的な欲求不満が存在しているという事になるのですね?」

「お恥ずかしいですが、友達の仲良くしているところを見せられると羨ましく感じます」

「ご主人との夜が復活することが一番ですが、それはお話されているのですか?」

「いいえ、そのようなことを話したら嫌われます。私から求めるなど考えられません」

「どうしてですか?男も女も同権ですよ」

「はしたない女だと言われるでしょう。夫は古い考え方の人です。姑にもきっと嫌われてしまいます」

「お義母様と同居されているのですね?それが本当のストレスの原因なんじゃないのでしょうか?ご自身で恋愛をされたいと強く思われていますか?」

「姑は夫が大好きなので時々嫌な思いをさせられますが、健康なので助かっているところはあります。強いストレスにはなっていませんが、夫が遠慮しているところは感じられますね」

「では、ご自身の恋愛をどう考えるかですね。ハッキリと言って婚外はセックスが中心です。純粋に男女の交際をしたいという人は稀です。あなたが深い関係を望まれなくても男性側はセックスが目的です。それを踏まえてその紹介者の男性と付き合いされるかどうかです」