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吉葉ひろし
吉葉ひろし
novelistID. 32011
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木枯らし

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木枯らしが吹く夜は寝付かれない

必死にしがみついてるものを吹き飛ばしてしまうから

昨日は栃の木の大きな葉を

みんな飛ばしてしまったから

今夜はカサカサと栃の葉が

あっちに飛ばされこっちに飛んでくるように

電線のヒューヒュー鳴る音に混じって聞こえてくる



僕の心の中にある心配ごとも

飛ばしてくれたら嬉しいが

君に頼んだら大切にしまってある思い出までも

飛ばしてしまいそうで心配だ



木枯らしはうるさくて寝付かれないけれど

布団の中にいると

いろいろ思い出すこともあるよ

だから君の事は好きではないが嫌いでもないよ

君が来ればもうすぐお正月も来るから

君が凧も空高く揚げてくれたね

でも君が来ると、とってもうるさくて寒いんだよ

作品名:木枯らし 作家名:吉葉ひろし