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「構いませんよ。彼の写真を見せてください。念のため連絡先も教えてください。待ち合わせの約束をそのSNSの彼と決めてください」

早奈枝は亜希子のHNであるユリと名乗って彼と思われる男性、俊樹と待ち合わせ場所に立っていた。
聞かされていた車が停まって降りてきた男性は写真で見た顔と同じであった。

「お待たせしました。ユリさんですね？」

「ええ、そうです。俊樹さんかしら？」

「そうです。いや～驚きました。すごい美人ですね」

「ありがとう。俊樹さんも素敵よ」

これは心にもない言葉だとくすっと笑えた。
世間話をして車は郊外にドライブしてゆくとラブホのあるところに来て隣をちらっと見て俊樹は言った。

「いいですよね？ボクたちは好き同士だから」

「ええ、もちろんよ」

中に入って抱き付いてきた俊樹を少し落ち着かせて早奈枝は話をしだした。

「ねえ？他に付き合っている人は絶対に居ない？」

「どうしてそんなこと聞くんだい？メールで君のことだけって言ってきたじゃないか。疑っているの？」

「うん、私に他に好きな人が居るって言ったらどうする？」

「何言ってるんだ！こうして会ってくれているのに、変だぞいつもの会話じゃないって思える」

早奈枝は自分のスマホから電話をかけた。
直ぐに俊樹から着信音が聞こえた。
驚いたように顔を見て電話に出た。

「何故私が俊樹さんの電話を知っていると思う？今日会うまで知らなかったでしょ？」

「誰かに頼まれたのか？まさか亜希子か？」

「まさかの亜希子さんよ。私は相談を受けて代わりに来た早奈枝と言う看護師。あなたのやっていることはいけない事よ。女性を弄ぶのは最低男のすること。遊ぶなら割り切れる相手としなさい」

「亜希子・・・そうだったのか。こんな偶然があるだなんて信じられない。くそう、こうなったらおれを騙したお前を力づくで犯してやる！」

俊樹はそう言うと襲い掛かってきた。早奈枝は思いっきり股間を蹴り上げて相手をダウンさせた。そして9番に電話してドアロックを解除してもらい、訳を話して先に帰った。

当然残された俊樹は情けない表情で恋愛に終止符を打つことになった。