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レイドリフト・ドラゴンメイド 第8話 地獄の門へようこそ!

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 一方、他の兵士たちはそれほどショックを受けていないようだ。
 足元には、バラバラになった装備品。
 さらに後ろの天井には巨大な穴と、そこからドロッと流れ落ちる、真っ赤に溶けたコンクリートと岩盤。

 分身体は岩塊の体を、戦車の上に下した。
 重機関銃を折り曲げ、そこから先には進めないことを一目でわからせた。
 
 ドラゴンメイドと2号は戦車の向こうへ急いだ。
 そこには人の手では絶対に開けられない、分厚い鉄の扉がある。
「! 左のドア! 敵の増援が来る! 」
 2号が予知した。
 左の壁にはめ込まれた、手で開けられる鉄製のドア。
 2号は短くなったインウィクトゥスを、野球のバットのように構える。
 目標は、戦車だ。
 槍は、ロケット砲よりも早く戦車を叩いた。
 戦車は勢いよく滑り、新たな敵が現れるはずだったドアに、轟音を上げてめり込んだ。
 ドアが不自然にガチャガチャ動き、向こうから悲鳴が上がったが、ドラゴンメイドも2号も気にすることはなかった。

「ボルケーナ! ドアの鍵! 」
 ドラゴンメイドが手を向けた。
「鍵って、これ? 」
 そこには、カギ穴に差し込んでから中で変形する、鍵のバラバラになった部品があった。
「二号~」
 ドラゴンメイドのゴーグルの向こうからでも、鋭い視線が突き刺さるのがわかった。
「済まなかった」
 
「まあいいや。私が開ける! 」
 ボルケーナ分身体が言い、二人は道を開けた。
「ブラックホールビーム」
 触手の先から光が出た。
 光はドアに当たると、燃やしも砕きもせず、ただ黒い面となってドアをえぐり、進んでゆく。
「高エネルギーの粒子よ。当たった物と砕け散る瞬間、超重力を生み出すの。
 この星の成層圏エーロゾルをそうじしたのと同じ技術よ」
「「へ~」」
 二人のレイドリフトの反応はそれだけだった。

 10秒ほどゆっくり時間をかけて、1メートルの鉄板に円形の穴をあけた。
 そこを覗き込んだドラゴンメイドは、マスクとゴーグル、腕のパワーアシストとジェットエンジンを解いた。
 そして武産とボルケーナを向き、完璧なメイド風笑顔と、お辞儀を見せた。
「いらっしゃいませ」
 魔術学園生徒会が占領した領域は、明日の終戦調印式にスイッチアへ返還されるはずだった。