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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「恋愛病院 不倫病棟」 第二十一回

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夫のDVから逃れるために入院していた30代の桜子は弁護士との協議が済んで晴れて離婚が成立した。
しかし、心と身体の傷は癒されることなく日々塞ぎがちであったが、里紗の懸命の支援で男女のことが話せるようになっていた。

鉄男との面談で気持ちが落ち着いていると判断され、個室から四人部屋へと移動になり、同室の患者たちとも少しずつ会話が出来ていた。
里紗を交えて再婚話になっていた。

「桜子さんは、ここを退院したらどうするの?子供さんと一緒に実家で暮らすの?」

「里紗さん、母には迷惑をかけているので娘を引き取って一緒にどこかで暮らしたいと思うんですが、収入が無いからしばらくは実家で世話になろうと思っています」

「そうね、働くところが見つかるまでは親に甘えるのが良いわね。私も子供がいるから母と暮らしているの。ここの勤務じゃ世話できないしね。頼るべきは母親よね」

「そうなの?里紗さんは再婚はされたいと思わないの?」

「桜子さん、したいって思うわよ。でもここのお仕事が今は大切な事だから諦めているの。先日もね年下の男性から申し込まれたけどお断りした。すごくタイプだったんだけど、患者さんたちと離れたくないの」

「素晴らしいわ。それほどまでに仕事に情熱があるだなんて。私なんか大学出てすぐに結婚したから社会を知らない。そんな甘えが夫の暴力を呼び込んだのかも知れないってこの頃思うの」

「ううん、あなたは悪くないのよ。暴力を振るうっていう事は相手が正しいことを言っていたとしても許されることではないの。赤信号を無視したと文句言って事故起こしたらぶつけた方が悪いっていう事になる。力づくは決して解決にはならないの」

「はい、言われることは解ります。でも人間だから感情があると思うんです。私は夫の理解を越えた行動をしていたんだとちょっと反省しています。初めて叩かれたときに自分の中で相手に対する申し訳なさが吹っ飛び、嫌悪感だけに変わってしまった。あの時今みたいに考える余裕があれば離婚まで進まなかったように思えるんです」

「そう、そう感じるのね。離婚が成立した今ではもう遅いけど、彼が十分に反省してやり直したいと言って来たら話し合いに応じるつもり?」

「えっ?話し合いにですか・・・考えられないことは無いですが、今は一人で居たいと思います。自分のやりたいことを見つけて、子供がもう少し成長したら人生を共に歩んでくれる人を探します。
その時に再び夫と縁があれば考えたいと思いますけど」