真理子の勇気
灯油がないよ
この話は平成5年位の事である。
北関東でも南に位置するここA市ではストーブの使用は12月からであった。
その使用期間は灯油の予算次第であった。
その年はとても寒く、毎日5リットルの灯油が配られるのだが、とてもそれでは間に合わなかった。
午後になると灯油切れになってしまった。
灯油の管理室は別に鍵はかかってはいない。
ふつうは掃除の時間に空の容器と交換に新しい容器を貰う。
そのプラスチックの容器にはクラス名が書いてある。
要領のいいクラスは、灯油倉庫に行き灯油を入れてくる。
それは違反であるが見て見ぬふりをすることが多かった。