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吉葉ひろし
吉葉ひろし
novelistID. 32011
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真理子の勇気

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真理子が職員室に入ると、何か自分を見る先生方の雰囲気が違っていた。
「谷村さん」
教頭先生に呼ばれた。
「こちらの部屋で話しましょう」
その部屋は生徒指導に使われる個室であった。
「川田先生からのお話ですが、課外手当の事はどこの学校でもやっていることですよ。この事で印象を悪くしないほうが採用試験には良いですからね」
「はい。でも給料をもらっているのにって思ったのです」
「ですから手当てなんですよ」
「生徒は暑いなか勉強しているのですから、このお金でエァコンなど買えないのですか」
「設備は県の許可が必要なんです。たとえ寄付されても許可は下りないでしょう」
「たとえばエァコンの設備のある部屋を借りるとかも駄目なんですか」
「教育委員会に内緒なら、解らなければ出来るでしょうね」
「私、汗かきなんです。このお金は返しますから、他の先生にもお願いしますから」
「まァまァそれとこの手当は別にして、考えておきましょう」

作品名:真理子の勇気 作家名:吉葉ひろし