真理子の勇気
期限付き採用教師
真理子は期限付き採用教師として、1年間の契約で県立立花高校に赴任した。
国語の教師であった。大学を卒業して教師の採用試験に臨んだがどこも不合格であった。
自分自身採用試験に落ちていながら、生徒に勉強を教えることに疑問を感じていない訳ではなかったが、生活のためでもあり、また今後の試験に有利な事もあったからだ。
クラス担任にはならないものの、副担任を受け持ち、担任が休んだり、出張したりすればクラスのホームルームに出る。
男女共学であり、若い真理子は男子生徒にもてた。
それほど難しい事でもないのに放課後になると、真理子の居る教官室には男子生徒が訪れた。
夏休み少し前になると、真理子は服装に気を使い始めた。
先輩の女性教師に教えられたことである。余り薄いものは避けるべきと言われた。
生徒を刺激すべきではないとの注意であった。
真理子は当然のことと受け取った。